ミドクラは4月3日、シリーズAラウンドにて産業革新機構を中心として総額1730万ドルの増資を完了したと発表した。
ミドクラは、2010年1月に東京で創業した企業。自律分散アーキテクチャーに基づくネットワーク仮想化技術を核とし、北米、欧州およびアジアの拠点にて事業を展開している。オープンソースによるクラウドインフラ関連技術の普及を推進しており、オープンソース系の代表的なクラウドマネジメントプラットフォームである「OpenStack」および「CloudStack」との連携を実現している。
出資した主なファンドは以下のとおり。
- 政府系投資ファンド 株式会社 産業革新機構 (Innovation Network Corporation of Japan)
- NTTグループ・ベンチャーファンド NTTインベストメントパートナーズファンド投資事業部門 (NTT Investment Partners L.P.)
- NECグループ・ベンチャーファンド イノベーティブ・ベンチャー投資事業有限責任組合(Innovative Ventures Fund Investment L.P.)
併せて、グローバル経営体制の強化を目的として、現CEO兼共同創業者の加藤隆哉氏が取締役会長(Chairman of the Board)に、現CTO兼共同創業者のダン・ミハイ・ドミトリウ氏が最高経営責任者(CEO)に就任することも発表。知的財産の管理、安定した金融環境を鑑み本社をスイス・ローザンヌに移転することも表明している。
ミドクラでは、今回調達した資金について、「当社が開発しているネットワーク仮想化プラットフォーム『MidoNet』の本格的市場導入を加速するために投入する」としている。また、同社の事業領域の市況について、「今年に入り本格的なSoftware Defined Networking (SDN)市場の立ち上がりも見込まれている」としたうえで、「ミドクラもこの潮流に乗るべく日米欧各地域の開発体制の充実および営業・サポート体制の増強等を行い、日本発のユニークなグローバルテクノロジーカンパニーとして国内外企業との戦略提携を積極的に視野に入れながら事業を国際展開する」とコメントしている。