Texas Instruments(TI)は、スマートフォンやタブレット製品などのリチウムイオン電池の充電時間を既存の充電ソリューションに比べて半分に短縮する電池充電IC「bq2419x」を発表した。

同ファミリは、4.5A出力、20V入力定格のスイッチングモード充電製品で、I2CインタフェースおよびUSB OTG(On-the-Go)をサポートし、パワーバンクやパワーパックから4G LTEルータ、Wi-Fi用スピーカ、ポータブル医療機器および産業用などのアプリケーション向けに、短時間で発熱の少ない充電機能を提供する。

モバイル機器向けでは、充電時間を短縮すると同時にシステムの発熱を抑えて安全性を確保し、より正確で効率の高い充電回路が要求される。今回発表された「bq24190/24192/24192i/24193/24195/24195L/24196」は、電池パスのインピーダンス補償によって充電時間を短縮するとともに、プログラム可能な温度管理機能を提供することで、安全かつ信頼性の高いシステム動作を確保することが可能だという。

また、出力電流2A時に92%、同4A時に90%の変換効率を提供し、Energy Starおよび欧州委員会の充電仕様に適合している。プログラム可能な温度安定機能により、システムレベルの設計を向上させることができる。さらに、12mΩと低い導通時抵抗の放電用MOSFETを集積している。加えて、USB OTG向けに出力電流2.1A時に92%の昇圧効率を提供する。そして、過電圧を防止するとともに、充電中は電池やシステムを保護し「bq24193」はJEITAの各ガイドラインをサポートする。この他、Power Path管理機能、複数の同期整流用FET、電流検出、内部ループ補償およびブートストラップダイオードなどを有する電池充電ソリューションを提供する。

なお、パッケージは「bq2419x」が4mm角の24ピンQFN。価格は1000個受注時で2.50ドル。評価モジュール「bq2419xEVM」は、TIのeStoreから注文できる。

TIの電池充電IC「bq2419x」