日々新たなモノを生み出しているクリエイター。本レポートでは、そんな彼らを支える、なくてはならないアイテムを探り出していく。今回は、パソコン操作には欠かせない「マウス」について、これまで様々なクリエイターの自宅や作業場を取材したなかで、実際に使われていた「クリエイター御用達マウス」たちを紹介する。
Apple純正品は根強い人気
個性豊かなクリエイターたちは、マウスひとつをとってみても、どんなものを使うか、とてもこだわっている人たちが多かった。そんななか、最も多くの人の支持を受けていたのが「Apple Magic Mouse」だ。Mac好きのクリエイターは多く、マウスに関しても厚い信頼を寄せられているようだ。
製品のデザインに使っているというプロダクトデザイナーは、「今となっては当たり前ですが、右クリックに使えるボタンがあるのがいいですね」とコメント。以前は右クリックを使うため、他のメーカーのツーボタンのマウスを買って使っていたこともあるという。しかし、「安い商品だと1年保たずに左クリックの部分が壊れてしまうので、Appleの純正品は丈夫だなと感心しています」とのこと。
また、「iMacに付属したApple Magic Mouseを使い続けている」と答えたアートディレクターは、「ワイヤレスでマルチタッチ対応なので、Photoshopの拡大縮小がスムーズにできて助かっています」とその利便性を語る。ただ、「(仕様通りに)単3電池を入れると重く感じる」ため、eneloopの単四電池と変換器を入れて軽量化するなど、使いやすくするための工夫も行っているようだ。
トラックボールなど"こだわりの一品"続々
それぞれの作業スタイルに合わせ、こだわりの製品を使っているクリエイターたち。軽量で第4、第5ボタンを押しやすいという理由により、2003年発売の「マイクロソフト IntelliMouse Optical D58-00037」を使い続けているインテリアデザイナーや、光沢のあるデスクでもマウスパッドを使わずに扱えるレーザー式を条件にマウスを選んでいる漫画家など、ツールを選ぶ視点もさまざまだった。
また、ボールを転がすようにして操作する「トラックボール」を愛用しているという人も。あるグラフィックデザイナーは、「大きな玉を搭載したタイプのトラックボールを好んで使っているものの、使い心地のよい物ががなかなか見つからず、いくつも試した結果、「Kensington Expert Mouse」を愛用しています」と語るなど、こだわりぬいた結果が見て取れるコメントも見受けられた。
ふたつのデバイスを使う"二刀流"ユーザーも
マウスというと利き手に握って使うイメージが強いが、両手にデバイスを持つ"二刀流"のユーザーもいる。今回の調査では、マウスの補助として、「Apple Magic Trackpad」を左手で扱うというデザイナーがいた。
同氏は、以前MacBookに外部ディスプレイを接続して使っていた時、マウスとトラックパッドを両方使いながら操作しており、その感覚を残す目的で、このようなデバイスの使い方を確立したという。「Dashboardを表示する時や、プレビューでの画像の拡大/縮小がしやすく便利」とのことで、マウスとは異なるインタフェースのツールを使うことで制作の効率を上げているようだ。
制作には自分に合ったツールが不可欠
クリエイターが日常的に使うツールであるため、1人ひとりのこだわりが強く見える形となった。Apple製品を選ぶ人も、ただ「付属してきたから使う」というのではなく、製品そのものに納得して使い込んでいるというコメントが目立った結果となった。