米Gartnerは3月28日(米国時間)、最新の世界IT支出予測を発表した。企業や政府などがITに投資する金額は2013年、前年比4.1%増の3兆7660万ドルになると予想している。欧州のキプロス危機などを受けて見直したものだが、「ショックは短期的」との見方を示している。
企業や政府が行うハードウェア、ソフトウェア、機器、サービスなどITに関連する支出動向の予測で、欧州のキプロス危機、米政府の暫定予算など最近の財政問題を受けて修正した最新版となる。「これら新しいショックは、裁量支出を一時的に中断させるかもしれないが、短期的なものであり、戦略的ITイニシアティブは継続する」とGartnerは記している。
最新版では、2013年のIT支出の予想額を3兆7660万ドルとした。これは2012年の3兆6180億ドルから4.1%の増加となる。
項目別では、2013年最も増加率が高いのがデバイス分野で、2013年は2012年比7.9%の増加を予想している。予想支出額は7180億ドル。PCは横ばい、プリンターは緩やかな減少傾向にあるが、高価なスマートフォンへの短期的な支出が後押しすると予想、前回のフォーキャストでは6.3%としていた増加率を上方修正した。
データセンターシステムは、前年比3.7%増の1460億ドルと予想。ヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)地区でのデータセンター投資減速を受け、当初から0.7ポイント下方修正したという。
エンタープライズソフトウェアは前年比6.4%増の2970億ドル。データベース管理のDBMS、データ統合ツール、サプライチェーン管理などへの投資が好調との予想で、予想成長率は2012年の3.5%から増加となる。2014年はそれ以上の成長率を予想している。
ITサービスは前年比4.5%増の9180億ドル、項目別には最も支出金額が高いテレコム(通信)サービスは前年比2%増の1兆6880億ドルと予想している。
なお、2014年のIT支出予測では、2013年からさらに4%増の3兆9170億ドルとしている。