レッドハットは28日、ビッグデータに関する方針とビッグデータ分析のワークロードを効率的に実行するためのソリューションを発表した。同ソリューションの一つである「Red Hat Storage」のHadoopプラグインをApache Hadoopオープンコミュニティに提供を行うとしている。
発表会ではレッドハット株式会社 常務執行役員 製品・ソリューション事業統括本部長 纐纈昌嗣氏と、レッドハット株式会社 マーケティング本部部長 中井雅也氏が登壇した。
纐纈氏は、「OSS(オープンソース)はジェネリック医薬品のようなモノ」とオープンソースの位置づけを紹介した上で、「OSSだけが真のビッグデータの課題を解決可能」とオープンソースを活用したビッグデータソリューションの有益さを強調した。
同社は非構造化データに注目。多くの企業はビッグデータプロジェクトの開発、概念の実証、および本稼働前の各フェーズで、Amazon Web Servicesなどのパブリッククラウドインフラストラクチャを使用し、より大きなデータセットを使用し分析を拡大するために、ワークロードをプライベートクラウドに移行する。
同社が推奨するオープンハイブリッドクラウド環境により、企業はアプリケーションを作り直すことなく、パブリッククラウドから自社のプライベートクラウドにワークロードを移行することができる。
また、ビッグデータ戦略を進めていくにあたって、パートナーであるエコシステムの強化を図っていくとしており、現在レッドハットの製品を扱っている企業はCTC/SCSK/HPの3社だが、それらを今年中に10社程度にし、レッドハットのビッグデータソリューションをユーザへ提供していきたいとしている。
同社は、ビッグデータソリューションのカギに「Red Hat Storage」/「JBoss Data Grid」/「Red Hat Storage」の3つの新ソリューションを用意。
「Red Hat Storage」は、Red Hat Enterprise Linuxと、GlusterFS分散ファイルシステムを基盤とするRed Hat Storage Serverを使用し、安価な市販サーバのプールを作成し、コスト効率、スケーラビリティ、および信頼性を備えたビッグデータ用のストレージソリューション。
「JBoss Enterprise Data Services」は既存DBやHadoopと連携できるデータ仮想化基盤で、「JBoss Data Grid」は、スケールアウトNoSQLデータストアとデータグリッドの機能を有する。
これらを活用したオープンハイブリッドクラウドで、ユーザが抱えるビッグデータの課題を解決していき、2013年後半にRed Hat Storage HadoopプラグインをHadoopコミュニティに提供、Hadoopコミュニティと連携をしながら、企業にとって有益なビッグデータソリューションを提供していくとしている。