IDC Japanは、国内企業向けスマートモバイルアプリケーション市場および国内企業向けスマートモバイルアプリケーション開発ソフトウェア市場の分析結果を発表した。
この調査では、ユーザー企業に対するアンケート調査とソフトウェアベンダーを中心とする開発者へのアンケート調査の両面から、スマートフォンおよびタブレットで稼働する企業向けアプリケーションの利用実態と同アプリケーション開発の実態について調査した結果を分析している。
それによれば、ユーザー企業において、提供予定の業務アプリケーション分野では、「営業支援/顧客関係管理」のほか、情報系の「メール/スケジュール管理」「ドキュメント/カタログ管理」「社内ソーシャルネットワーキング」「コラボレーション/カンファレンス」「ビジネス インテリジェンス/アナリティクス」に回答が集まる傾向が見られるという。
また、提供計画における稼働プラットフォームをたずねたところ、スマートフォンではAndroidがiOSを上回り、タブレットではiOSがAndroidを上回るという。
モバイルアプリケーション開発者に対し、利用経験のあるモバイル開発ツールをたずねたところ、ネイティブ開発ツールである「Android SDK」「iOS SDK」「Xcode」への回答が圧倒的に多かったという。
モバイルアプリケーション開発では、JavaScript、PHP、Perl、Python、Rubyなどの技術に加え、Web開発ツールも比較的利用されていることが判明したという。
ソフトウェアのユーザーと稼働環境をパラメーターとして、売上推計および市場予測を行った結果では、2012年の国内企業向けスマートモバイルアプリケーション市場の規模は、前年比44.7%増の100億6,100万円で、2017年の売上規模は478億400万円、2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は36.6%になると予測している。
また、2012年の国内企業向けスマートモバイルアプリケーション開発ソフトウェア市場の規模は、前年比5.4%増の64億8,100万円で、2017年の売上規模が99億7,500万円、2012年~2017年のCAGRが9.0%なると予測している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの冨永裕子氏は「企業向けスマートモバイルアプリケーション市場および企業向けスマートモバイルアプリケーション開発ソフトウェア市場を成長軌道に乗せるためには、モバイルアプリケーションプラットフォームベンダーとのアライアンスの推進、モバイルアプリケーションとノンモバイルアプリケーションを包括する企業内アーキテクチャモデルの提示、製品認知度の向上とソリューションで提供できる価値の訴求を考慮した市場アプローチが求められる」と分析している。