東京大学大学院情報理工学系研究科(以下、情報理工)は、電子決済における次世代個人認証技術の確立に向け、三菱UFJニコスの寄付による「次世代個人認証技術講座(三菱UFJニコス寄付講座)」を4月1日から5年間にわたり、開設すると発表した。
同講座は、同4月1日に情報理工の附属教育研究施設として設立されるソーシャルICT研究センターの新融合サービスICT分野の講座として設置。次世代個人認証技術の寄付講座設置により、三菱UFJニコスと情報理工が協力し、インターネット上での電子決済におけるセキュリティ等の問題をクリアする個人認証技術の開発と実用化に向けた研究を行うとともに、今後本分野を担う研究者・技術者の育成も支援、本分野の学術分野としての確立を目指す。
寄付講座は、ソーシャルICT研究センターの「新融合サービスICT分野」、「次世代社会システムICT分野」、「社会システム情報学分野」の3つの柱のうち「新融合サービスICT分野」に設置され、坂井修一特任教授(兼担:情報理工 電子情報学専攻)と新たに任用が予定されている若手教員・研究員により運営される。
インターネット上での電子決済はその利便性の反面、クレジットカードの不正使用等、セキュリティの観点では万全とはいえず、生体認証をはじめ、不正使用等を防止する各種の個人認証技術が開発されているが、実用性の問題に加えて、指紋等を認証に使うことへの心理的抵抗などの問題点がある。本寄付講座では、上述の問題をクリアする個人認証技術の開発と実用化に向けた研究を行うとともに、今後本分野を担う研究者・技術者の育成も支援し、本分野の学術分野としての確立を目指す。