Integrated Device Technology(IDT)は、100fs(標準値)の位相ジッタ性能を実現した差動出力型のMEMS発振器「4H」シリーズを発表した。

同製品は、高いジッタ性能を達成していることに加え、出力周波数を調整可能な周波数マージン機能を備えているため、10GbE対応のスイッチやルータ、この他のネットワーク機器において、ビット誤り率(BER)を低減することができる。

また、LVDS/LVPECLに対応した差動出力を備えるMEMS発振器であり、ジッタ性能は1.875Hz~20MHzの範囲で100fs、12kHz~20MHzの範囲で300fs以下を達成している。

さらに、周波数マージン機能を備えており、これにより同製品を搭載した機器を稼働中に、最大±1000ppmの範囲で発振周波数を微調整することができるため、BERを最小化したり、マージンについての試験を容易化したりすることが可能になる。

加えて、この周波数マージン機能により「プラスPPMクロッキング」技術が利用可能になるという。同技術は、システムクロックを本来の周波数よりもわずかに高くするというもので、これによりBERを低減することができ、ネットワークにおけるパケット損失の改善を図ることが可能になる。固定周波数にしか対応できない競合他社のMEMSデバイスとは異なり、同社の製品の場合、最高625MHzの基本周波数を設定した上で、機器に実装した後でも数百通りの周波数オフセットを設定することが可能であり、これにより開発作業の効率化とシステムの動作の最適化の両面で有用となるという。

なお、パッケージは7.0mm×5.0mm、5.0mm×3.2mm、3.2mm×2.5mmのVFQFPNで提供され、すでに特定顧客向けにサンプルを出荷しているという。

IDTのMEMS発振器「4H」シリーズ