日本オラクルは3月25日、米OracleでPresidentを務めるMark Hurd氏の来日記者会見を開催した。Hurd氏は、2010月に同職に就任。それ以前は米HPのCEOを務めていた。
会見では、Hurd氏がOracleの戦略について説明。同社の柱として、「ベストオブブリードの提供」、「エンジニアドシステムの提供」、「クラウドコンピューティングの推進」、「業種別ソリューションの強化」の4点を挙げた。
米Oracle PresidentのMark Hurd氏 |
ベストオブブリードに関しては、ハードウェア、OS、ミドルウェア、データベースのすべての分野でベストオブブリードに選ばれる製品を提供するとしたうえで、「オープンな技術で構成されており、他社の製品が混在する環境でも機能する」と強調した。
また、エンジニアドシステムについては、Exadataなど、垂直統合型のシステムを提供していることを紹介。ハードウェアからミドルウェアまでが最適化されたシステムとして提供されるため、パフォーマンスが高いうえ、コスト効率も高いとし、「100倍のパフォーマンスで、1/100のコストになるケースもある」とコメントした。
さらに、エンジニアドシステムの利点として品質やサポートについても列挙。「通常はIT部門で行うような動作確認作業をすべてOracle側で行ってから出荷できる」、「Oracle側で構築しているためサポートも容易である」と説明。サポートについては、「既知の問合せに関しては、レスポンスを自動化する仕組みも提供している。企業によっては、障害時の問い合わせレスポンスタイムを5分に設定しているケースもある」と事例を紹介した。
一方、クラウドコンピューティングに関しては、オンプレミスからSaaS、PaaS、IaaSまですべてに対応していると現状を整理し、「以前はピーク時の使用量に合せてシステムを設計していたが、現在は平均時に合せて設計し、バーストキャパシティ分をOracleのクラウドからリソースを借りてくるといった使い方が可能」と解説。特に日本ではこうした需要が増えているとの認識も示した。
そして、業種別ソリューションに関しては、特に小売りやヘルスケア、通信事業などで、独自の知的財産を活かしてさまざまな問題を解決していくとの指針を提示。日本に関しても、営業の採用を増やすなど、投資を継続していくことを明かした。