Texas Instruments(TI)は、再設定可能なフルプログラマブルDCアーク検出リファレンスデザイン「RD-195」を発表した。
車載/航空機バッテリー管理システム、産業用の工場機器、太陽光発電機器などの大電力DCシステムでは、アーク故障による重大な被害を防止する保護機能へのニーズが高まっているが、同リファレンスデザインを活用することで、そうしたニーズへの容易な対応が可能になると同社では説明している。
RD-195は、完全にプログラム可能なリファレンスデザインであり、ソフトウェアツールによって、各種アーク検出スレッシュホールド値の設定が可能。誤検出を最小に抑えながら、実際にアーク放電が発生した場合も正確に検出できるほか、直列、並列、接地アークなど各種アークの検出が可能で、RF(高周波)干渉などのノイズの多い環境でも動作可能だ。
また、シグナルチェーンを構成するすべての部品が-40℃~+85℃の全産業用温度範囲に対応しているほか、応答時間は100ms未満(代表値)と、迅速なシステムコントローラの動作を実現しており、アーク放電による火災の可能性を低減している。
さらに、各種業界標準に準拠。Underwriters LaboratoriesのUL1699B標準認証を取得済みで、UL1998標準の認証デバイスとしてすでにリストアップされており、これにより設計期間の短縮ができるほか、NEC690.11の太陽光発電安全要件にも準拠している。
なお、RD-195には、ソフトウェアアプリケーションツールが用意されており、システムのアーク検出スレッシュホールドレベルの微調整により、アーク検出と誤検出防止の精度を向上することが可能だ。また、リファレンス・デザインのCADファイルも添付している。価格は199ドルですでに提供を開始しているという。