さくらインターネットとNTTデータ先端技術は、さくらインターネットの石狩データセンターの商用環境で、NTTデータ先端技術が提供する次世代電源システムである、直流(DC)給電システム「HVDC DC 12V方式」の稼働を開始したと発表した。
両社は、今回の「HVDC DC 12V方式」の本稼働により、世界初、直流給電で稼働するデータセンターを実現。さくらインターネットは、今回の「HVDC DC 12V方式」の採用を契機に、さらなる省エネルギーデータセンターを目指す。
データセンター事業者における省エネルギー化は、データ量の増加が見込まれる今日、これまで以上に重要な課題となっている。石狩データセンターでは、北海道の冷涼な外気を活用した外気冷房の採用により、40%の消費電力の削減に成功しているが、この度、さらなる省エネルギー化を目指し、従来の交流による給電方式を抜本的に見直し、電源ロスを徹底的になくした給電方式である「直流給電」をいち早く実用化したNTTデータ先端技術の「HVDC DC 12V方式」を採用した。
直流給電は、その電力効率の高さから、かねてより、省エネルギー化の切り札として期待が寄せられ、消費電力の削減効果だけでなく、太陽光や燃料電池など直流との親和性の高いエネルギーソースの活用においても高い評価を得ている。しかし、直流で動作する電子機器は、交流送電を経由して電力入力を受けるために通常複数回の変換を必要とする。
今回、NTTデータ先端技術が開発した技術では、変換の冗長性排除の仕組み、保護回路による安全対策、また、データセンターのIAサーバのほとんどが内部電圧12Vで動作する実情に最も適した方式により課題を解決し、実用化に成功した。