Mentor Graphicsは、MDA(機械系デザインオートメーション)とEDAを統合した電子冷却シミュレーション向けソリューション「FloTHERM XT」を発表した。

同ソリューションは、コンセプト段階から詳細設計に至るプロセスの短縮を実現するとともに、電子設計における課題と対象物ジオメトリの複雑性という2つの主要課題を解決する。一連の電子設計課題は、IC、プリント基板(PCB)、電子システムの速度、集積度、消費電力の増加に起因している。ジオメトリの複雑性は、微細化の進行と複雑な形状の取り扱いを要する工業デザインの影響の増大を受けて加速度的に進んでいる。

同ソリューションを利用することにより、設計の初期段階から仮想プロトタイピングを導入し、設計の手戻りや繰り返しの削減、先進の「what-if」解析、製品品質の向上、Time-to-marketの短縮を実現できるようになると同社では説明している。

FloTHERM XTは、同社の熱解析ソフトウェア「FloTHERM」から電子冷却機能、「FloEFD」からコンカレントCFD(数値流体力学)テクノロジの遺伝子を受け継いでおり、複雑な電子システム設計問題を解決する機能と性能を兼ね備えている。インタフェースは、初心者でも画面上で機能を完全にカスタマイズできる作りとなっており、設計プロジェクトのどのような変化やニーズにも柔軟に対応できるとする。

またインポートやCADによって生成したジオメトリは、FloTHERM XTのSmartPartライブラリのモデルとシームレスに連携し、自動メッシュ作成機能とデータ収束機能が実行時間を短縮することが可能。さらに、同社の「Expedition Enterprise」をはじめとするエンタープライズプラットフォームに対し、直観的で使い勝手の良いインタフェースを提供している。

なお、同ソリューションはすでに出荷を開始している。