学研ホールディングスは3月19日、学研教育出版と関西大学初等部の協力の下、電子版「学研ニューワイド学習百科事典」のICT授業実証実験を行い、「調べ学習」「協働学習」に大きな期待が持てるとの結果を得たと発表した。
今回、実施された実証実験は、国語、算数、理科、生活、道徳授業の中で、児童がiPadからサーバ内の百科事典にアクセス、思い思いの調べ学習やグループで取り組む協働学習を行うというもので、実験期間は2012年9月~10月の2カ月。
同社によると、同実験の結果、児童全体の95%が「楽しかった」「使ってよかった」「また使いたい」など意欲的な回答をし、担当教員からは「紙よりも視覚的、聴覚的にもすぐれた教材を提供できた」「図書室に行かなくてもいつでもどこでも手軽に調べることができた」「今回使った教科以外でも活用できそう」など、ふだんの授業とは違う効果が得られたという。
同実験の結果について、実証実験に協力した関西大学総合情報学部 黒上晴夫教授は、「言語活動の充実の一環として、全ての教科で自分の意見をまとめて書くことが重視されるようになった。このために必要となる「適切な資料を選んで読み解く力」を育てるために、百科事典はとても有効だと考えられる。これを常に横において、必要な時にいつでも使える環境を、電子版百科事典は提供してくれる。このトライアルでも、実際にその有効性が確かめられたと考えられる」とコメントしている。