日本HPは3月18日、ネットワーク統合管理ソフトの新バージョン「HP Intelligent Management Center v5.2」(以下、「HP IMC 5.2」)、およびレイヤー3 ギガビットスイッチの新製品として、中・小規模オフィス向けの「HP 2920-24/48Gスイッチ」と大規模データセンター向け「HP 5900AF-48G-4XG-2QSFP+スイッチ」を発表し、同日より販売を開始した。

「HP 2920-24/48Gスイッチ」。上が「HP 2920-24G」、下が「HP 2920-48G」

「HP IMC」は、障害、構成、アカウント、パフォーマンス、およびセキュリティまでの管理機能を提供するネットワーク統合管理ソフト。新バージョンのv5.2では、従来の「Enterprise」「Standard」という2つのライセンスに加え、小規模ネットワーク向け製品となる「BASIC」と、無線LANに対応した「BASIC WLAN」を新たに追加した。

「Enterprise」が200デバイス、「Standard」が100デバイスの管理デバイス数(管理対象デバイスは追加可能)からのスタートに対し、「BASIC」は有線LANを50デバイス、「BASIC WLAN」は有線50デバイスに加え無線50デバイスを管理することができる。

HP Intelligent Management Center v5.2」のラインナップ

また、BYODを目的としたインフラの構築を行う製品として、「IMC Smart Connect」および無線LANに対応した「IMC Smart Connect WLAN」を提供する。この製品は、Red Hat Linux OS、IMC StandardをベースにSQL Database、User Access Managerや無線LAN環境向けのWireless Service Managerをあらかじめ製品内に組み込んだ仮想アプライアンスとして提供され、接続デバイスの認識や、ユーザーのアクセス管理を行う。

「IMC Smart Connect」

「HP Intelligent Management Center v5.2」のその他の主な機能強化点は以下の通り

「HP IMC Enterprise / Standard 5.2」
・Live Update 機能の拡張
・異なるネットワークドメインのデバイス検知スケジュールを個別に設定可能
・LLDP-MED トポロジーのサポート
・HP 3800 スタックトポロジーのサポート
・コンプライアンス対策のためにポリシーの事前定義が可能
・新デバイスの対応(Cisco 1000v、Juniper EX4200 and F5 Big-IP Virtual Edition)

「「HP IMC BASIC / BASIC WLAN 5.2」
・sFlowトラフィック分析の対応
・障害管理、構成管理およびパフォーマンス管理を提供

参考価格は「HP Intelligent Management Center BASIC v5.2」が29万4,000円、「HP Intelligent Management Center BASIC WLAN v5.2」が71万4,000円、「HP IMC Smart Connect Edition」が155万4,000円、「HP IMC Smart Connect w/WLAN Manager」が 176万4,000円。

Openflow対応スイッチ

「HP 2920-24G/48Gスイッチ」は、ボックス型10G対応(SFP+/T)のレイヤー3ギガビットスイッチで、「HP 2910 スイッチ」の後継機種となる。参考価格は、「HP 2920-24G」が24万9,900円、「HP 2920-48G」が41万7,900円。

「HP 2920-24G/48Gスイッチ」の概要

拡張モジュールによって、最大10G BASE-Tを4ポート搭載することが可能で、別売のスタック専用モジュールとケーブルを使用することで2920スイッチ最大4台のスタック接続を実現する。

背面に追加する「HP 2920」のオプションモジュール

「HP 2920-24G/48Gスイッチ」はOpenFlow1.0に対応しており、これにより、同社では計29種が、OpenFlowに対応した。

29種のスイッチがOpenFlow対応

本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 本部長 宮本義敬氏

日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 本部長 宮本義敬氏は「ネットワークの軸になるのはSDNだ。HPはSDNにかけている。今後は、インフラストラクチャ層においては、Openflowに対応し、SDNのコントロール部分とアプリケーションについては、今後、製品を出していく」と語り、まずは先行してOpenflow対応のスイッチを出し、今後順次、コントロール部とアプリケーションを提供し、SDNに対応していく考えを示した。

同社では、1月8日、ネットワーク事業戦略を発表し、SDN対応を拡大していくことを表明している。この中では、アプリケーション層に対しては「HP Virtual Cloud Network Application」と「HP Sentinel Security」の2つソフトウェアを2013年下半期に提供する予定で、コントロール層に対しては、「HP Virtual Application Network SDN Controller」を2013年下半期に提供する予定であることを発表した。

また、日本HP サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 尾崎亨氏は、「企業からの質問で、多いものの1つが、何からSDNを始めればいいのかというものだ。また、小規模なネットワークにはSDNはメットがないのではという質問もある。他社の場合SDNに対応するためには、別途ライセンスが必要になるが、HPでは無償で提供できる。今後は規模問わず、SDNを提供していきたい」と述べた。

「HP 2920-24G」を手に、背面のオプションスロットを説明する日本HP サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 尾崎亨氏

「HP 5900AF-48G-4XG-2QSFP+ スイッチ」は、ハイエンドボックス型スイッチ「HP5900シリーズ」の1G対応版となる1Uスイッチ。1Gを48ポート、10G SFP+を4ポート、40G QSFP+を2ポート実装しており、4台をHP IRFで単一機器としてスタック接続し制御することができる。主にデータセンターのTop of Rack製品として、1G接続のサーバー群の高密度集約に適している。参考価格は、 207万9,000円。

「HP 5900AF-48G-4XG-2QSFP+ スイッチ」