サイバーエージェントの連結子会社であるCyberZは、シード・プランニングと共同で、スマートフォン広告市場動向調査を行い、2017年までのスマートフォン市場規模推計ならびに予測結果を発表した。
この調査は2012年12月から2013年2月まで、スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集行い予測している。
それによると、2011年のスマートフォン広告市場規模は249億円と推計。また、2012年のスマートフォン広告市場規模は856億円と前年比で343.8と増加し、従来、PCやフィーチャーフォン向けサービスを提供していた事業者が、スマートフォンでのサービス展開を本格化し、スマートフォン上でのプロモーション需要が急速に拡大したという。
2012年の商品別広告市場規模は、リスティング広が534億円(前年比395.6%)と大幅に拡大。主にEC、金融、不動産、人材・教育、交通・レジャー向けサービス等の広告主におけるプロモーション需要拡大が影響しているという。
ディスプレイ広告の市場規模も、210億円(前年比 269.2%)と拡大し、ゲームや電子書籍などのコンテンツや、不動産、旅行等の情報サービスを提供する事業者などのプロモーション需要拡大が影響したという。
また、同市場においては、複数媒体やアプリに対して一括で広告配信するアドネットワークの需要が全体の8割以上と大きな割合を占める一方で、ソーシャルメディアの新たな広告商品の登場等が市場規模拡大に寄。成果報酬型広告は、ゲーム会社や情報サービス提供事業者などのプロモーション需要により増加し、2012年の市場規模は112億円(前年比311.1%)となったという。
2013年は、引き続きスマートフォンユーザーや情報サービスの増加、ならびにスマートフォン広告商品の拡充が進むことが見込まれ、2013年のスマートフォン広告市場規模は 1,166億円、前年比136.2%と予想している。
スマートフォン広告において中長期的には、各デバイスの特性を生かした広告商品が生まれる一方で、検索連動型広告のように、デバイスを問わない配信形態をとる広告商品がさらに増えていくことも予想され、O2O領域、あるいはGPSによるユーザーの位置情報を活用した広告商品など、ユーザーに最も身近なデジタル端末ならではの特徴を生かした広告商品が生まれることが期待されるという。
このような、スマートフォンならではの新しい付加価値を持つ広告商品が多数登場し、新しい広告主層を取り込むことを前提に、スマートフォン広告市場は2014年以降も高い成長水準を維持し、2016年には2,000億円規模に達し、5年後の2017年には2,200億規模に達すると予想されるという。