アルプス システム インテグレーションは3月14日、情報漏洩対策製品群「InterSafe ILP(Information Leak Protection)」の新版を発表した。
アルプス システム インテグレーション 代表取締役社長 麻地徳男氏 |
InterSafe ILPは、ファイル暗号化を中心とした情報漏洩対策ソリューションを提供する製品群。暗号化のことを意識することなく、普段通りの操作性を保ちながらユーザーを守る、というコンセプトで開発されている。ファイル自動暗号化ソフト「InterSafe IRM(Information Rights Management)」を核に、デバイス制御ソフト「InterSafe Device Control」、セキュリティUSBメモリ作成ソフト「InterSafe SecureDevice」、ファイル持ち出し用Web型申請/承認ソフト「InterSafe WorkFlow」により構成されている。
今回発表されたInterSafe ILP Ver. 3.0では、20にも及ぶ機能追加/強化を実施。新たに、さまざまな機能制限を施したPDFを生成する製品「InterSafe SecurePDF」がシリーズに追加されるなど、大規模な変更が加えられている。
アルプス システム インテグレーション 営業統括部 マーケティンググループの清水康雄氏は、今回の特徴的な強化ポイントとして次の3つを挙げる。
アルプス システム インテグレーション 営業統括部 マーケティンググループ 清水康雄氏 |
- 暗号化ファイルに対するウイルススキャンの有効化
- ファイル持ち出し時の運用フロー簡略化
- セキュアなPDF生成機能
これらのうち、暗号化ファイルのウイルススキャンに関しては、「暗号化ファイル唯一の課題を克服するもの」(清水氏)と説明する。
これまでの暗号化ファイルは、マルウェアが含まれていたとしても、暗号化されているがゆえにシグネチャとマッチせず、ウイルス対策ソフトで検知することができなかった。それに対して、今回の機能強化では、Windows OSのカーネルの中で各種の処理を行う「InterSafe IRM」において、ウイスルスキャン実行時にメモリ上で自動的に復号化する機能を追加。各種ウイルス対策ソフトのスキャン処理が有効になっている。
2つ目の、運用フロー簡略化は、「InterSafe WorkFlow」において取り込まれたもの。従来のバージョンでUSBメモリなどにファイルを書き出す際には、エンドユーザーが上司または管理者に申請を行い、承認を得た後に書き出し処理を行うというフローが必要だったが、新盤では新たに「クイック持ち出し」というメニューを追加。承認フローを割愛して、USBメモリに書き出せるようになった。
なお、承認フローは簡略化されているが、セキュリティを担保する処理は自動的に実行されるという。例えば、書き出しされたファイルはサーバへコピーされるうえ、だれがいつ何に対して書き出し処理を行ったというログもサーバ上に残される。さらに、ファイルを自動的に暗号化したり、認証されていないデバイスへの書き込みをブロックしたりといった制御も可能になっている。
そして、3つ目のセキュアなPDF生成機能に関しては、前述のとおり「InterSafe SecurePDF」という新製品が追加された。InterSafe SecurePDFでは、生成するPDFファイルに対して、パスワードをかけたり、閲覧有効期限を設けたり、要素のコピーや印刷機能を無効にしたりすることが可能だ。IRMの暗号化ファイルからPDFを直接生成することもできる。
そのほか、発表会では、サポート環境の強化施策として、スタンドアロン環境も一元管理できるようになったほか、VMware Viewなどの仮想デスクトップ環境やWindows8に対応したことなども紹介された。
InterSafe ILP Ver. 3.0は、3月14日より発売が開始される。