データセンターに納入するラックサーバのハードディスクは、価格重視であればSATAのコストパフォーマンスが高いものを、信頼性を重視するならSASでとにかく値段が高いものをといった安易な選択をしがちだが、これらは費用対効果の高い方法ではないだけではなく、誤った判断をしていることがある。
Data Center Knowledgeに「Six Tips for Selecting HDD and SSD Drives」のタイトルのもと、適切なディスクを選択するための6つのティップが掲載された。データセンターで使用するハードディスクまたはSSDを選択するときの指針として参考になる。内容を要約すると次のとおり。
- SASとSATAはディスクドライブインタフェースであり、信頼性、速度、データ密度を示すものではない。以前は信頼性のSAS、データ密度のSATAと言われていたが、SSDの登場でかならずしも成り立たない。
- サイズあたりのコストパフォーマンスがもっとも高いのは3.5インチのSATA HDD。2.5インチモデルと比較して2倍ほど廉価。これはSASも同様で、3.5インチSAS HDDと2.5インチSAS HDDでは3倍から6倍ほど3.5インチの方が廉価。3.5インチSATA HDDと2.5インチSATA SSDでは10倍から50倍ほど3.5インチSATA HDDの方が廉価。また、2.5インチと3.5インチでは3.5インチの方が信頼性が高いことが多い。
- HDDの性能はデータ密度と機械的な動作速度で決定される
- トランザクション負荷に対しては10,000 RPM HDD/15,000 RPM HDDよりも、SSDの採用を検討した方がよい。
- 動画ストリーミングに関してはSSDおよび10,000 RPM/15,000 RPM HDDは採用しない。4TB 7200 RPM HDDの方が適切。4TB 7200 RPM HDDの方が消費電力も少ない。
- データセンター向けのディスクであり、検証試験が実施され合格したモデルであるか確認をとること。最新モデルはエンタープライズよりも先にコンシューマ向けにリリースされる傾向がある。対象モデルについてちゃんと調べること。
記事では、ディスクの宣伝文句を真に受けることなく、上記6つの指針にしたがって要求されるスペックに最適なディスクを選択するべきだと説明している。