Texas Instruments(TI)は、システム評価コストの低減とシステム設計の迅速化を実現する、全機能内蔵の高速データコンバータシステム評価キット「HSDC-SEK-10」を発表した。価格は799ドル。

計測機器のコストは上昇し続けており、中でも、A/Dコンバータ(ADC)とD/Aコンバータ(DAC)の評価には非常に高いコストがかかるようになっている。同製品は基本的な評価向けに、そうした投資を不要にすることが可能なもので、30分でシステムの立ち上げと動作が可能となっている。パターンキャプチャカード、パターンジェネレータカード、低ジッタのクロックソース、クリーンな10MHzシグナルソース、マルチ出力安定化電源を内蔵しており、14ビット、250MSPS、2チャネルADC「ADS4249」、16ビット、1.5GSPS、4チャネルDAC「DAC34SH84」などの高速データコンバータにより、性能要件の厳しい機器設計の評価期間とコストを低減することが可能だ。

プログラマブル・クロック・ソース「TSW4806EVM」は、デュアルPLLクロックジッタクリーナとジェネレータを搭載しているほか、パターンキャプチャカード「TSW1405EVM」は、64Kサンプルのキャプチャバッファを備え、同社のLVDSフォーマットADC評価モジュールのほぼすべてをサポートする。また、パターンジェネレータカード「TSW1406EVM」は、最大64Kサンプルのパターンサイズを提供し、同社のLVDSフォーマットDAC評価モジュールのほぼすべてをサポートする。そして「TSW2200EVM」は各EVMに低ノイズのポータブル電源を、「TSW2110EVM」はADCにクリーンな10MHzアナログ入力を提供する評価ボードとなっている。

なお、これらの評価ボードは、同社のグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)「High-Speed Data Converter Pro」により、迅速なFFT解析またはパターン生成を実現することが可能となっている。

TIの全機能内蔵高速データコンバータシステム評価キット「HSDC-SEK-10」