OKIデータは、同社の「ワイヤドットプリンタ」が、情報処理学会より、「2012年度情報処理技術遺産」の認定を受けたと発表した。

これはOKIデータが開発・製造した「ワイヤドットプリンタ」が、当時の情報処理技術を知る上で貴重な技術資産としてその価値を認められたもの。

「情報処理技術遺産」は、情報処理学会が、現在の我が国の情報処理技術の基盤を形成してきた貴重な技術史的成果・製品、経済や社会に著しく貢献した情報処理技術・システムを認定する制度。

今回OKIデータが認定を受けた「ワイヤドットプリンタ」は、1968年に同社最初のドットプリンタとして開発された、デジタル印刷技術の原点といえる商品で、文字のパターンを電気的に記憶する方法がなかった時代に、ドットの集合で文字を表す技術を用い、学校や研究所、金融機関などで長年利用された。

「ワイヤドットプリンタ」

このプリンタは、全128文字の文字パターンを印字することができ、それぞれの文字は縦7ドット×横5ドットで構成している。

構造は、128文字分表現できる、組み合わせた孔を持ったCG(Character Generator:文字発生器)と呼ばれる鉄板と、1文字を構成する縦7ドット×横5ドット分のガイドパイプに通したワイヤからできている。

紙へ文字を印字する原理は、128文字個々に定義付けされたポジションにCGを機械的に動かし、そのCGに縦7ドット×横5ドット、合計35本の打刻反対側のワイヤ端部を押しつけることで、CGに孔がない面に当たったワイヤが飛び出してそれぞれのドットを表現している。

OKIグループでは、2008年度に「OKITYPER-2000」と「OKITAC-4300Cシステム」、2009年度に「2400B型ラインプリンタ」、2011年度に「オートテラーターミナルAT-20P」が情報処理技術遺産に認定されており、今回で5件目の認定取得となる。