富士通セミコンダクター(FSL)の子会社で欧州の開発/販売拠点のFujitsu Semiconductor Europe(FSEU)は、単波長、伝送レート100Gbpsの光伝送システムの実装を可能とするコンバータを開発したと発表した。

データ通信の需要増大により、100Gbpsといった高速伝送レートの必要性が、数千kmを結ぶ長距離ネットワークから、中距離のメトロネットワークにまで広がっている。メトロネットワークでは、伝送距離は最大でも数百kmと長距離伝送に比較して短くなるが、ポート密度が高くなるため、使用されるコンバータチップにも機械的、熱的な制約への対応、かつ低消費電力化が要求されている。また同時に、通信システムベンダが必要とする通信容量と効率の向上をチップ設計レベルでサポートすることも求められている。

同コンバータは、同社3世代目となる28nmプロセスで製造される低消費電力コンバータ群の第一弾で、A/Dコンバータ(ADC)回路を、ASICのユーザー向けソリューションとして提供するというもの。最初の品種は、55~70GSpsのサンプリングレートで、かつ拡張可能なアナログ帯域をサポートする。また、同サンプリングレートのD/Aコンバータ(DAC)も今後提供される予定のほか、今後発表予定のコンバータ群はすべて、2013年中にユーザーのシステム設計に適用可能にする計画だという。これにより、28~90GSps以上のサンプリングレートまでカバーできるほか、サンプリングレートの最適化、および28nmプロセスの採用による低消費電力化を実現できるという。