Texas Instruments(TI)は、IGBTおよびSiC FET向けの35V、1チャネルのゲートドライバ「UCC27531/27532」を発表した。
再生可能エネルギー向けアプリケーションでは、より多くの出力電力と、より高い電力変換効率を安全に提供する電力制御部品を必要としており、400Vを超す動作電圧においては、低い電力損失を有したIGBTや最新半導体技術であるSiC FETを採用している。これらのデバイスは最大1200Vの高耐圧および、同等のMOSFETよりも低い導通時の抵抗を備えており、マイコンや専用のデジタルパワーコントローラICを使って管理されており、次世代のIGBTおよびSiC FETを用いた設計では、電源および信号を大きな雑音を発生する電力制御ステージのスイッチング環境から絶縁することが必要となっている。
今回発表された2製品は、太陽光パネル向けDC/ACインバータ、UPS(無停電電源)や電気自動車の充電をはじめとした絶縁型電源向けで、デジタルコントローラを電力制御回路に近接した配置で動作させずに済むことから寿命を延長することが可能だ。具体的には、IGBTへの高速な電荷注入を実現しつつ、高い信頼性と高効率動作を確保したとするほか、17ns(代表値)の伝搬遅延時間により駆動効率を向上させている。
また、複数のUVLO設定および、レールツーレールの出力電圧がシステム保護を提供するほか、負極性の入力電圧に対応することから、数多くの産業用設計をサポートし、高雑音環境に対応したという。さらにシステム保護では、OUTHおよびOUTLの個別出力ピンによって、IGBT/MOSFETのターンオン時のミラー効果への耐久性を向上させ、電力素子の損傷を防止している。
なお、パッケージは6ピンSOT-23。価格は1000個受注時で0.75ドル。IGBTドライバドーターカード評価モジュール「UCC27531EVM-184」は49ドル。この他、設計期間の短縮に役立つPSpiceモデルおよびIGBT向けの35V、1チャネル、ゲートドライバ製品アプリケーションノートも供給中となっている。