ラピスセミコンダクタは、160~510MHzの小電力セキュリティ無線局および特定小電力無線局用の無線通信LSI「ML7344J」を開発したと発表した。
近年、電池で駆動する機器でも機器間通信に無線が使用されるようになってきた。しかし、ガスメータや水道メータに代表される無線検針(AMR:Auto Meter Reading)やセンサ間の連動が必要な機器においては、数秒で通信有無を確認し、電波が無ければスリープ状態に移行するという動作を繰り返す必要があるため、電池寿命のほとんどを間欠受信動作に費やしており、長期間の電池駆動は困難とされてきた。
同製品では、RF回路を最適化し、受信時の消費電流を従来の15mAから5.9mAに低減することに成功したほか、高速電波チェック機能を新たに開発し、0.8ms(従来4ms)以内でスリープ状態から電波有無を判定することができる。間欠動作で消費される電力は、受信時の電流と起動時間の積算が効いてくるため、受信電流を押さえ、かつ起動時間を短くすることで、従来の60μA・sから約5μA・s以下の消費電力に抑えることができるようになるため、電池駆動の機器でも長時間の使用が可能となった。
また、「ML7344」のファミリ展開として、日本だけでなく、欧州のメータ通信規格Wireless M-Busに対応した「ML7344E」、および中国の電力メータ通信規格「Q_GDW374.3」に対応した「ML7344C」も順次サンプル出荷を開始する予定。
なお、サンプル価格は500円。2月よりサンプル出荷を開始し、9月より量産出荷を開始する予定。ラピスセミコンダクタ宮崎で製造する。「ML7344E」は4月から、「ML7344C」は7月からサンプル出荷を開始する。