楽天は3月8日、東京・名古屋・大阪の三大都市圏で宅配サービスを提供するエコ配と資本・業務提携を行い、楽天がエコ配の株式を取得するとともに、東京都内の楽天の配送サービスにおいて一部協業を開始したと発表した。本株式取得により、楽天はエコ配の株式15%を保有する株主となる。

「エコ配」Webサイト

楽天では、「楽天市場」の出店店舗向けの物流・在庫管理・出荷等、ロジスティクス分野における支援を強化するため、2010年に物流子会社である楽天物流を設立。2011年には、千葉県市川塩浜に初の物流拠点となる楽天フルフィルメントセンター(RFC)市川Iを稼動させるとともに、2012年8月からは、「楽天市場」出店店舗への商品在庫の入出荷、保管、梱包、配送、カスタマーサービス、各種付加価値サービスなどの総合フルフィルメントサービス「楽天スーパーロジスティクス」の提供を開始。

さらに、楽天マートが、2012年7月から開始している食品宅配サービス「楽天マート」の配送ネットワークについても、楽天グループが主体となり、複数の配送会社と共に、独自配送体制を展開している。

一方、エコ配は、エコロジー&エコノミーな宅配便サービスを提供する運送事業者として、「ほぼ人力」なリヤカー付自転車を用いた配送や、電気自動車を用いた配送方法の採用、カーボンオフセットの実施により、二酸化炭素をはじめとする温暖化ガス排出を抑えた低価格の配送サービスを展開。東京・名古屋・大阪の三大都市圏において30を超える配送拠点のネットワーク体制で運営し、主要都市間での翌日配送が可能となっている。顧客数も10万社を誇り、月間取扱荷物数も100万個を突破するなど、2007年の創業以来、飛躍的成長を続けている。

今回、楽天によるエコ配への出資に伴い、第一弾として「楽天マート」の東京における配送体制の強化のための協業を開始。加えて、エコ配が強みを持つ事業者向け集配サービスにおいても協力して取り組み、エコ配が事業を展開する他の大都市圏における連携も検討している。楽天は今後ともさまざまな物流会社との連携によって、全国規模での物流ネットワークを整備する。

なお、エコ配の社外取締役には、楽天物流の代表取締役社長である恵谷洋氏が着任する。