EMCジャパンは3月7日、PCI Express(PCIe)ベースのサーバ向けフラッシュローカルストレージ「EMC XtremSF」の販売を開始した。550GB、2.2TBの2種類があり、価格は550GBで91万1,880円(税別)。また、今後は700GBと1.4TBモデルも追加される予定。
「EMC XtremSF」は標準準拠のハーフハイト、ハーフレングスの25w PCI Expressカードで、MLC(Multi Level Cell)型のチップを採用。Gen2 x8の帯域を持つ。SLC(Single Level Cell)を採用した製品は、昨年の10月「EMC VFCache」として、すでに提供済み。こちらは、サーバ向けのフラッシュ・キャッシュ用途で価格は、300GBが約190万円(税別)、700GBが約340万円(税別)。
なお、「EMC XtremSF」もオプションソフトのVFCache Driverである「EMC XtremSW Cache 」を搭載すれば、キャッシュとして利用することも可能だ。
「EMC XtremSF」は、フラッシュカード用ソフトや、今後リリースが予定されているオールフラッシュアレイ「XtremIO」とともに、「EMC Xtrem」ファミリに位置づけられ、VFCacheも今後は同ファミリに加えられ、VFCacheという名称は用いられない予定。
同社では、あらゆる製品にフラッシュ技術を活用する「Flash Everywhere」戦略を展開しており、今回の新製品はその一環。
EMCジャパン マーケティング本部長 上原宏氏は、ソフトウェアが他社との大きな差別化要因だと強調。ハードウェアがコモディティ化しており、重複排除機能や圧縮機能の搭載の有無まで考えないと、単純なハードウェアのスペックだけでは比較できないと指摘する。
オールフラッシュアレイのXtremIOは、すでに一部ユーザーでの検証が始まっており、検証のフィードバックが完了次第提供される予定だ。
今後EMCは、メインメモリとキャッシュメモリのデータにおける一貫性を担保するキャッシュコヒーレンシーなどの機能を追加することで、デバイスに依存しないフラッシュ・ソフトウェア製品を順次拡充する。
EMCジャパン グローバル・サービス統括本部 システムズ・エンジニアリング本部 プロダクト・ソリューション統括部長 兼 ソリューション部長 永長純氏は、「MLCをラインナップに追加することで、用途に応じて利用できる。8倍のPCIeを採用しており、サーバ側のCPUを使わない。また、4kと8kのワークロードを最適化し、高いハードルの検査基準をも設けて、耐久性を確保している」と特徴を説明。100万以上のIOPS(Input Output Per Second)を記録するという。
用途としては、大きくわけるとローカルストレージとソフトを組み合わせることでのキャッシング用途を想定。Web 2.0のアプリケーションに最適だという。