NXP Semiconductorsは、LFPAK56パッケージを採用した車載規格準拠のMOSFET54品種を発表した。これにより同社のパワーSO8 MOSFETの量産製品として最大のラインアップが提供されることになるという。
LFPAK56 MOSFET製品群は、DPAKに比べてフットプリントのサイズを55%以上縮小し、コスト全体を削減することが可能であり、さまざまな車載アプリケーションに対応可能で、パワートレイン、自動車ボディ、セキュリティ、シャーシや安全制御関連のアプリケーションに適していると同社では説明する。
30V、40V、60V、80V、100Vの電圧グレード向けに提供され、あらゆる電圧範囲で高いRDS(on)性能と電流処理能力を実現することが可能。中でも「BUK9Y3R0-40E」は、40Vで3.0mΩのRDS(on)で、最高100Aの電流処理能力を備え、座席の位置調整、窓の上げ下げ、ワイパーなどモーター制御アプリケーションのほか、車体制御アプリケーションやポンプ、ファンなどでも利用が可能だ。また「BUK9Y59-60E」は、60Vで59mΩのRDS(on)を実現し、小型で高い耐久性能を実現しているため、直噴式ガソリンエンジンや直噴式ディーゼルエンジンなど、通常システムごとに複数の部品を要するエンジン制御システムに適用が可能となっている。さらに「BUK9Y38-100E」は、100Vで38mΩのRDS(on)、低パッケージインダクタンスのため、車載LEDアプリケーションに最適だと同社では説明している。
なお、QFNパッケージではマイクロリードが完全に封入され、動きに制約があり、亀裂や汚染の生じる可能性があるのに対し、LFPAKのガルウィングリードはPCB基板に屈曲性があるため、熱による膨張や機械的な歪みにも対応できるほか、銅クリップを統合することによって電気抵抗や熱抵抗を抑え、低インダクタンスを実現して高い信頼性を有するという。車載規格AEC-Q101にも準拠しており、175℃の製品寿命テストで1600時間以上を達成したいるほか、低PPMレベルを実現しているという。