東芝は3月7日、監視カメラ市場向けに、暗い場所でも明るい場所でも色鮮やかでなめらかな映像を撮影できるフルハイビジョンCMOSイメージセンサ「TCM5117PL」を開発し、2013年3月下旬よりサンプル出荷を開始すると発表した。
同製品は、フレーム間の画像を比較し、色ノイズをデジタルフィルタ回路によって抑制し、解像感を損ねることなく色ノイズを抑える独自技術「CNR(Color Noise Reduction)回路」を2.7μm画素と組み合わせることで、低照度時に視認性を悪化させる色ノイズを補正し、暗い場所でも色彩感豊かに映し出すことを可能とした。
また、静止したシーンのみならず、動画での明暗コントラスト比の大きい被写体でも、100dB相当の階調の広い画像を映し出すことができる「HDR(High Dynamic Range)撮影機能」を採用することで、明るい場所でも白飛びしない鮮明な映像を撮影することを可能とした。
今回搭載されたHDR撮影機能は、シングルフレーム方式を採用し1秒当り60フレーム表示の高速フレームレート処理が可能なため、フルハイビジョンの動画を滑らかに表現することが可能だという。
さらに、独自の高信頼性プロセスの採用により、1/3型で画素サイズ2.7μm×2.7μmを実現しつつ、10年連続・24時間稼働が可能だという。
なお同製品のサンプル価格は3000円で、量産規模は月産20万個を予定。同社では監視・車載カメラ向けCMOSイメージセンサ市場は2014年度に現在の約2倍に成長するとの予測を示しており、今後も市場ニーズにマッチした新製品の開発・販売を進めることで事業の強化を図っていく計画としている。