ルネサス エレクトロニクスは3月6日、USB対応外付けストレージ機器向けのUSB3.0とシリアルATA(SATA)間のデータをつなぐブリッジLSIに外部部品を取り込み、外部部品点数を削減できるUSB3.0-SATA3ブリッジLSI「μPD720231」を発表した。
同製品の特徴は大きく5つある。1つ目は、従来より小型化し、消費電力を低減した点。電圧レギュレータ、パワーオンリセット回路を内蔵し、部品コストの削減、システムの小型化に寄与する他、ファームウェアをHDDやSSDなどのSATAデバイス側に格納することができ、外付けシリアルフラッシュROMを省くことも可能となっている。同等機能を有する市販製品の部品点数と比較して、部品点数を40%削減できるという。
2つ目はSATA Revision 3.0に対応し、6Gbpsの高速データ転送をサポートした点。USBバス上ではUSB3.0のデータ転送レートである5Gbpsをサポートし、一方、SATA上では6Gbpsのビットレートをサポートしたことで、SATA側の転送速度に縛られることなく、USB3.0の高速転送を実現することができるようになった。
3つ目はOSに依存せず、高速動作するUASPプロトコルをサポートした点。同社のUSB3.0対応ホストコントローラLSI「μPD720200/200A/201/202」、さらに主要なUSB3.0ホストコントローラを内蔵するチップセット上で動作するUASPドライバを無償提供しており、Windows XP/Vista/7上で高速転送を実現することが可能。同ドライバはメディアロジックとライセンス契約を締結している。また、Windows8上ではMicrosoftのUASPドライバと互換性があるため、PCプラットフォームに依存せず、主要な環境でUASPによる高速動作を実現できるという。
4つ目は実績のあるPHYの採用により、安定した相互接続性を実現した点。同社のホストコントローラは、数多くの周辺機器との相互接続性を実現し、事実上の業界標準となっているが、同製品も同じPHYコアを採用している。5Gbpsの高周波数では通信特性が相互接続性を左右するが、実績のあるPHYコアを採用することにより、あらゆるホストシステムとの接続において安定した接続性を実現できるという。
そして5つ目はATAPIコマンドのサポートにより光ディスクドライブのサポートした点。ATAPIコマンドをサポートすることで、BD/DVDドライブの制御が可能となっており、これによりUSBインタフェースを持ったBD/DVDドライブの設計を容易化したという。
なお、同製品は2013年3月より量産出荷を開始するという。