東芝は3月5日、ヘルスケアサービスやクラウドにおいて、脈波・心電・体温・体動などの複数の生体情報を同時にセンシングし、無線でスマートフォンやタブレット端末などに送出するインテリジェント生体センサモジュール「Silmee(Smart healthcare Intelligent Monitor Engine & Ecosystem)」を開発したと発表した。
現在のヘルスケアクラウドやサービスは、血圧計や体温計などネットワークに繋がる既存の機器を組み合わせて構成しているが、装置自体が大きかったり、複数の機器を扱うのが困難で、普及が進まないなどの課題があった。
「Silmee」は、センサごとに仕様が異なるために柔軟性と高性能の両立が要求されるアナログフロントエンド(AFE)を、同社が開発した擬似SoC技術を用いて1チップ化すると同時に、32ビット組み込みプロセッサ、デュアルモードBluetoothチップとともに、14.5mm角の小型パッケージに高密度実装したモジュールとなっている。アンテナと電池など、わずかな周辺部品を接続するだけで複数の生体情報を同時に入力し、処理・蓄積・無線伝送できる。これにより、コンパクトなウェアラブル生体センサの実現を可能にするという
東芝では、同モジュールを用いて、脈波・心電・体温・体動の各センサを約25mm×60mmサイズ、重量約10gのコンパクトな筐体に実装し、小型・軽量、リアルタイム伝送が可能な貼り付け型ウェアラブル生体センサも、併せて試作したという。
今後、「Silmee」を実証試験や研究開発の現場に提供し、多方面のパートナーと連携して、多様なサービスやアプリケーションソフトの開発を推進するとともに、擬似SoCの柔軟性を活用して大学などで開発されているさまざまな先端センサの搭載を推進していくとコメントしている。