理想科学工業がリリースしたオフィス向けプリンター「ORPHIS EX (オルフィス イーエックス)シリーズ」。展示会レポートでもお伝えしたとおり、同製品は、オフィスプリンターという言葉から想像される性能をはるかに越えた大量高速プリントや多彩な後処理加工を実現している。

理想科学工業株式会社 営業統括部の中村直樹氏

では、オルフィス EXは、特にどのようなニーズに最適なのか。本誌は、理想科学工業株式会社 営業統括部の中村直樹氏に、ユーザーからの反響を基にしたオルフィス EXの導入効果について聞いた。

圧倒的な速度と生産性を持つ「オルフィス EX」

オルフィス EXは1分間に最高150枚※1のプリントができる、オフィス向けプリンターだ。いわゆる小型のプリンターと比べた場合はもちろん、一般的な複合機と比べても圧倒的に高速だ。

「機種にもよりますが、一般的なプリンターや複合機の場合、高速機でも1分あたり30~50枚程度です。それが、オルフィス EXでは150枚、数倍のスピードでプリントできるんです。数字だけではイメージしづらいかもしれませんが、出力された紙がトレイに落ちる前に次の紙が出力されるというくらいの速さで次々と出力されます。しかも、オルフィス EXは、長時間プリントを続けても安定して高速プリントができます」と中村氏は語る。

大量高速プリントを必要とする企業の中には、日中は長時間プリンターを占有できないので、担当者が夜間や休日を印刷作業にあてるというケースも少なくない。オルフィス EXはこうした問題を解消する実力を持っている。

ORくるみ製本フィニッシャーとスキャナーを追加したオルフィス EX

コスト削減と利便性/生産力向上を両立

経営者の観点で見た際、オルフィス EXの魅力は、やはり印刷コストの削減が挙げられる。オルフィス EXはカラー1枚あたりのプリントコストが1.56円※2と圧倒的に安い。

「1.56円という数字は、一般的なカラープリンターはもちろん、モノクロ複合機よりも安価になる場合もあります。オルフィスを導入されたお客さまの中には、大きなコストカットに成功したということでご担当の方が社長賞を受賞された例もあります。また、1枚あたりのコストが下がり、生産性が向上したことで、密な販促活動が可能になり、売り上げが伸びたというお客さまもありました」(中村氏)。

企業によっては、印刷を外部に依頼するケースもあるだろう。そういった場合、一枚あたりの印刷コストが割高になることがあるため、オルフィスが導入されていれば大きなコストダウンが見込める。

「例えば、販売促進のチラシなどでは、宛先や地域名を刷り込んでターゲットに配布するケースが多いようです。しかし、複数の原稿を用意するとなると1原稿あたりの印刷枚数が少なくなるため、まとめて印刷会社にお願いするのが難しくなります。こうした印刷物の内製にオルフィス EXは最適です」(中村氏)

ターゲットに合せてチラシの内容を変えるのは、さまざまな業種で行われているという。これまでは印刷環境の問題で断念していた企業も、オルフィス EXという選択肢が増えたと言える。

また、印刷を外部に依頼している場合、オルフィス EXを導入することで、時間をかけてしっかり原稿を作成できるというメリットも生じる。

「外部に依頼した場合、印刷物が納品されるまでに数日かかります。必要なタイミングに間に合わせるには原稿を早く完成させなければなりません。納期ギリギリまで原稿修正が入ると、結局外部に発注できず複合機でプリントすることになるケースもよくあると思います。こうした問題も、大量プリントも時間がかからないオルフィス EXであれば解決できます。内製を前提に、原稿作成にも時間をかけて作業を進めることが可能です」(中村氏)

オルフィス EXは、このようにプリントの作業効率やコストの悩みを抱えている企業から需要があるという。カラー/両面プリントに対応した印刷機でオルフィス EXほどの速度と生産力を持っているものはほかになく、製品を探していると必然的にオルフィス EXにたどり着くことになるようだ。

多彩なオプションでオリジナル冊子作成や封入・封かん作業も自動化

オルフィス EXには多彩なオプションが用意されており、これが実現する後処理加工も企業にとってはかなりの魅力だ。

「ステープル止め機能自体は、目新しいものではないですが、オルフィス EX のオプションの ORオフセットステープル排紙トレイはそのコンパクトさが注目されています。また、多彩な紙折りや中とじ冊子を作成できるORフィニッシャーも需要が高いですね。さらに、最大4000枚の給紙ができるOR大容量給紙ユニットは、大量プリントをする方には本当に必要なものだと思います。一方で、オフィス向けプリンターのフィニッシャーとしてこれまでにはなかったのは、封入・封かん作業ができるORメーリングフィニッシャー※3と、600ページ(300枚)というボリュームの冊子が作れるORくるみ製本フィニッシャーではないでしょうか。今まで手作業でやらざるをえなかった作業が印刷から加工まですべて自動化され、これまでの工程や作業時間をかなり短縮することができます」(中村氏)。

特にお客さまから驚きの声が多いというORくるみ製本フィニッシャーは、教育関係を始め、自社オリジナルの冊子を必要としている企業や団体に需要がある。軽量紙「理想用紙IJ Eライト」を利用すればページ数の多いマニュアルや研修資料作成に効果的という。

「軽量紙を使った冊子は、厚みが薄く軽くなるため、提案書などを持って外回りを行う営業職の方などの負担を減らせます。しかも、マニュアルなどは自社で作成できると、修正や改訂も簡単に行えるのでお客さまに喜ばれることも多いです」(中村氏)

オルフィス EXで出力した冊子を手に特長を説明する中村氏

導入担当と現場の課題を「オルフィス EX」が解決

以上のように、さまざまな効果を現場にもたらすオルフィス EXだが、実際の機器選定ではどのような評価があるのだろう。

「プリンターの導入を決めるのは、経営者さまや総務担当者さまであることもよくあります。そのため、最初に関心を持たれるのはやはりコスト。予算に見合い、かつ運用コストを抑えられる機種ということで検討されるケースが多いです。一方で、効率アップを実感していただいているのは実務を担当する方たちです。総務担当者さまからは、『コストダウンを狙って導入したが、スタッフから生産性が非常に上がったという声をもらう』といったお話をいただくこともあります」(中村氏)

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「プリント速度とプリントコストで見れば、一般的なプリンターで同様の性能はおそらく存在しない」(中村氏)というオルフィス EX。企業活動を強力に推進するオフィスプリンターとして、経営者の皆さんは検討してみてはいかがだろうか。

※1 : オルフィスEX9050/EX9000の場合。A4普通紙片面横送り、標準設定連続プリント、EXフェイスダウン排紙トレイ使用時(2012年11月現在)。販売の枚葉(カット紙)オフィス用カラープリンターにおいて世界最速(理想科学工業調べ)。オルフィスEX7250/EX7250A/EX7200のプリント速度は120枚/分。

※2 : オルフィスEX9050/EX9000/EX7250/EX7200の場合。A4普通紙片面、RISO EXインクF使用時。カラーは測定画像にISO/IEC24712に定めるパターンを使用し、ISO/IEC24711に基づく測定方法によって算出。モノクロは測定画像にISO/IEC19752に定めるパターンを使用し、ISO/IEC24711に基づく測定方法によって算出。用紙代別。

※3 : ORメーリングフィニッシャーは2013年4月30日発売予定。