STMicroelectronicsは、同社クロル工場においてFD-SOI技術を28nmプロセスに適用したアプリケーションプロセッサを製造し、動作速度3GHzを達成したと発表した。
半導体業界は、ムーアの法則にしたがい、プロセスの微細化を進め、低コスト化、高性能化、低消費電力化を実現してきた。すでにトランジスタの微細化はナノオーダーとなり、バルクのシリコンウェハ上に形成されるプレーナ型CMOS技術は、物理的な課題に直面するようになっている。
今回用いられたFD-SOI技術は電子回路のさらなる小型化に向け開発が進められている次世代プロセス向けの各種技術の中でも画期的な技術になると同社では説明しており、特にアプリケーションプロセッサで動作速度3GHzを達成したことは、携帯型機器やデジタルスチルカメラ、ゲームなど、幅広いアプリケーション向けのASICにFD-SOIを採用するきっかけとなるとしている。
なお同社では、FD-SOIのシンプルさの裏付けとして、28nmのバルクCMOSから28nmのFD-SOIへのライブラリおよびフィジカルIPの移植が容易であることを確認しているとするほか、MOSヒストリ効果がないため、従来のCADツールを使用したデジタルSoC設計プロセスとFD-SOI設計手法がバルクCMOSと一致することも確認されたとも説明している。