日揮情報システム(以下、J-SYS)は2月28日、ビルディング・エネルギー・マネジメントシステム(Building Energy Management System:BEMS)の「J+EMSherpa(ジェイプラスイーエムシェルパ)」の販売を開始すると発表した。
J-SYSは日揮(以下、JGC)と共に、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」を横浜市(横浜スマートシティプロジェクト:YSCP)において取り組んでおり、この実証実験では、横浜市郊外の地域の生活の核となる商用施設(イトーヨーカドー横浜別所店)を舞台として、施設に設置した低炭素技術・製品を複合化させた実証設備(太陽光発電、蓄電池、燃料電池等のエネルギー供給設備、及び、照明、空調(店舗の一部も含む)、冷凍・冷蔵庫や電気自動車等の負荷設備)を有効活用してエネルギー効率を最大化する事を目的に、BEMSを開発・導入し、実証設備を稼働させている。
また、YSCPにおけるBEMSを活用した業務・商業ビル部門での本格実証として、電力のピークカット量の最大化等を目的とし、統合BEMSを介した冬季のデマンドレスポンス(以下、DR)実証も実施する。
運用中の商用施設を対象とした蓄電複合システムによる本格的なエネルギー管理は実例が少なく、本実証事業により得ることができた貴重な知見を基に、この度、J-SYSは「J+EMSherpa」をBEMSとして製品化を行った。
J+EMSherpaの特長は、「見える化/目標管理/デマンド監視/レポート/コスト試算/設備制御/人とエネルギーの調和」など。
見える化では、計測したエネルギー需給データを機器・場所・時間帯別にリアルタイムに表示。計測データは集計値の内訳も細分化でき、過去データとの比較もでき、外部出力も可能。
目標管理では、将来の需要(現在は過去の実績を元に)を予測し、エネルギーコスト試算機能によるシミュレーション結果を、見える化画面でエネルギー需給実績値と共に目標値として表示。
デマンド監視においては、30分間の使用電力量(デマンド)を予測し、閾値超過前に警報メールを配信。また、現在のデマンド推移と共に閾値までの到達予測を分かり易く表示する。レポートでは、施設のエネルギー使用に関する日報・月報・年報をMicrosoft Excelにレポート出力するなど、計測データ以外にもシステムに手入力したデータを出力し一元管理。レポート様式は顧客自身が自由に作成できる。
さらに、仮想サーバーを利用することで、複数施設のエネルギー需給状況をインターネット経由で遠隔から一元管理することも可能となっている。
参考価格(工事費込)は、計測点数50点の場合 500万円から。