Fusion-ioは28日、大規模システムを保有するデータセンター向けに、フラッシュストレージの最新製品ラインナップ「Fusion-io ioScale」(以下、ioScale)を日本市場に提供開始すると発表した。
発表会では、Fusion-io 最高経営責任者兼会長 デイビッド・A・フリン氏と、元Apple Computer共同設立者 現Fusion-io チーフ・サイエンティスト スティーブ・ウォズニアック氏が登壇した。
フリン氏は、「Fusion-ioはioScaleとオープンなソフトウェア制御ソリューションの提供を通じて、成長を続けるWebサービス企業や台頭するクラウド事業者のオールフラッシュデータセンターへの移行を最前線で支援する」と述べた。
その上で、「ハイパースケールはエンタープライズとは全く異なるニーズを持った市場で、ioScaleは、ハイパースケールを代表する企業のフィードバックを取り入れ、オールフラッシュデータセンターをシンプルに実現し、Webスケールアウトのユーザ特有の要件を満たせるよう設計した」と強調。
「より少ないコストで、大量のデータを取り扱うサービスを、世界中の何百万人のユーザーに効率的に提供するための技術」と語り、「この新しい技術を、台頭する市場リーダー企業に提供できることを嬉しく思う」と語った。
ウォズニアック氏は、「私がFusion-ioに加わった理由は、シンプルな設計とソフトウェア技術こそが、デジタルデバイスを通じたライフスタイルの向上に効果的な手段を提供できると信じているから」と述べ、「日本でのioScale提供は、インターネット上のアプリケーションを高速化し、よりよいデジタルエクスペリエンスを簡単に実現できるようになる」と強調した。
ioScaleは、これまでは数千台規模のサーバを保有するユーザ向けに提供してきたが、今後は大規模システムを保有するユーザや、クラウド事業者といったサービス提供者は100ユニットより導入が可能になる。
カードあたり最大3.2TBのストレージ容量を持ち、Webスケールアウト環境特有の要件に応えるとしている。価格は1GBあたり約358円(3.89ドル)よりボリュームディスカウント価格で提供し、オールフラッシュデータセンターの実現を促進するとしている。
オールフラッシュデータセンターは、シンプル且つ、性能密度が高く、信頼性が高くなるため、SSDやハードディスクで構成されるデータセンターよりも高効率であり、必要床面積や消費電力が少なく、また気温や湿度への耐性が高くなるため、システムの運用コストが低く抑えられ、環境への影響も低減できるとしている。
ioScaleの主な特徴は以下の通り。
カードあたり最大3.2TBのストレージ容量、およびシングルタイプのコントローラーをハーフレングスPCIeカードに搭載し、小さいフォームファクタのサーバに、信頼性を維持したまま12.8TB以上の容量を搭載が可能。ラックあたりの容量密度を最大化し、旧式ディスクドライブベイの必要性が少なくなる。
ioScaleからUEFIをサポートするハイパースケールサーバを起動でき、スペースが限られたスケールアウト用サーバから、RAIDコントローラーやディスクドライブが不要となる。
高い書き換え耐性を持ち、キャッシングや書き込み量が多いデータベース、大規模アプリケーションの高速化が可能。
自己修復機能、メディアの消耗管理、および寿命予測およびモニタリング機能など、ioMemoryのエンタープライズクラスの信頼性機能により、要求の高いサービスレベル要件に対応できる。
ioMemoryソフトウェア開発キット(SDK)に対応し、アトミックライトAPIやdirectFSなどを用いて、アプリケーションをフラッシュ上でネイティブ実行ができる。