Xilinxは、バックホールアプリケーション向けにギガビットクラスの1024QAMポイントツーポイント(PtP)マイクロ波モデムIPコアの提供を開始すると発表した。
モバイルブロードバンドトラフィックの急激な増加に伴い、通信事業者はネットワークのアップグレードを進めており、モバイルバックホールは全世界の通信事業者の資本支出において重要な領域となっているため、OEM企業各社は開発サイクルの短縮を図り、ハイパフォーマンスでスケーラブル、かつ柔軟なバックホールプラットフォームを迅速に市場に投入しようとしている。
同1024QAMモデムIPソリューションは大手OEMからの情報提供に基づき、Xilinxの28nm All Programmableデバイスを活用して開発されたもので、これを活用することで、ワイヤレスOEM企業はコスト面の要件が厳しく高いパフォーマンスが求められるマイクロ波バックホールプラットフォームに差異化された柔軟なプログラマブル機能を組み込める可能性が高まるという。
また、消費電力を従来のASSPベースのソリューション比で30%低減できるほか、合計BOMコストを最大で30%削減できる可能性を持ったワイヤレスソリューションの開発が可能になるという。さらにモデムはPtP屋外配備に最適化されており、ギガビットイーサネットに加えてマルチプルE1/T1やSDHといった従来のインタフェースもサポート。データレートは単一偏波で1Gbps、偏波共用モードで2Gbpsまで対応できるほか、位相雑音許容度を向上させているため、機器のコストを最適化することができ、高次変調のメリットを現場で活かすことも可能になるという。
さらに主な機能として、QPSKから1024QAMまでの変調をサポートしているほか、3.5~112MHzのチャネル間隔、アダプティブ変調、アダプティブデジタルプリディストーション、前方誤り訂正、I/Qインバランス補正、自動周波数回復、ハイブリッド決定志向イコライザ、統合ペイロード、コンフィグレーションインタフェースなどを備えている。
なお同IPソリューションは、すでに一部の顧客に提供されており、2013年5月より一般向け販売を予定しているという。