Analog Devices(ADI)は、JEDECのJESD204B SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)技術を組み込んだ、FPGA開発プラットフォームと互換性のあるFPGAメザニンカード(FMC)「AD9250-FMC-250EBZ」を発表した。
同製品は、FMC規格に準拠した外形寸法(フォームファクタ)のカードに、高速なJESD204Bインタフェースを備えたデュアル14ビットデータコンバータ「AD9250」を2つ搭載しており、250MSpsのサンプリング周波数で分解能が14ビットのA/Dコンバータ(ADC)を4チャネル提供することが可能だ。これら2つのADCはいずれも、サブクラス0とサブクラス1のディタミニスティックレイテンシ規格に準拠するほか、4チャネルすべてで高精度な同期を可能にするSYNCREF信号を供給できるため、FPGAを使ったさまざまな大量の数値計算を必要とするアプリケーションにおいて、XilinxのFPGA「Kintex-6/7」や「Virtex-6/7」との迅速な接続性と優れた機能を利用することができるようになると同社では説明している。
またAD9250-FMC-250EBZは、マルチステージ構成の差動パイプラインアーキテクチャを採用しており、出力のエラー(誤り)訂正ロジックを集積したADCを搭載している。クロック信号は、内部クロックソース、もしくは外部クロックソースから供給可能となっている。さらに、サンプリング制御のカスタマイズに向けた外部トリガー入力や、多ピンコネクタ、フロントパネルI/Oを備えており、これらを伝導冷却路として構成できるほか、シリアル通信バスを搭載しており、これを介して、サンプリング周波数やアナログ入力ゲイン、オーバーレンジ検出などのフレキシブルな制御が可能になる。この他、電源や温度の監視機能も組み込まれているため、未使用の機能に対する電力供給を遮断したり、FPGAメザニンカードを過熱から保護する数種類のパワーダウンモードも搭載されている。
なお、価格は565ドルで4月9日より量産出荷を開始する予定だという。