Analog Devices(ADI)は、RFデシメータとJESD204Bシリアルインタフェースを搭載した8チャネルの超音波アナログフロントエンド(AFE)「AD9675」を発表した。

同製品は、ミッドエンドからハイエンドの携帯型やカート型の医療機器や、産業用超音波システムなどの用途向けに開発されたAFEで、LNA(ローノイズアンプ)や可変ゲインアンプ、アンチエイリアス/フィルタ、14ビットA/Dコンバータ(ADC)をそれぞれ8チャネル分集積している。

125MSpsのサンプルレートのほか、SNR性能が75dBであり、超音波画像の品質向上が可能なほか、RFデシメータを集積したことで、ADCをオーバサンプリングさせることが可能になりSNR性能を高められる。これにより、低いデータI/Oレートでも画像品質を改善できるようになったとする。

また、伝送速度が5GbpsのJESD204Bシリアルインタフェースを採用したことで、ほかのデータインタフェース規格を使った場合と比べて、超音波システムのI/O配線を最大で80%削減。これらにより、超音波システムのボード設計を簡略化するだけでなく、データレートの高速化やチャンネル数の拡張、高解像度化といった要求に応えることができるようになったほか、AD9675と基本機能が同じながら、LVDSインタフェースを装備した「AD9674」もラインアップ。ピン互換性を確保しているため、コスト削減が求められたり、デジタル機能が限定されたりするアプリケーションの設計への移行を容易にするという。

なお、パッケージは「AD9675」と「AD9674」ともに、10mm角の144ピンBGA。価格は「AD9675」が1000個受注時で68.00ドル、「AD9674」が64.00ドル。すでにサンプル出荷を開始しており、量産は「AD9675」が4月、「AD9674」が2月よりそれぞれ開始する計画となっている。

ADIの8チャネルAFE「AD9675」