STMicroelectronicsは、スマートフォンの柔軟性と使用感を高める独自のセンサ・システム「FlightSenseファミリ」の第1弾製品として3つの光学素子を1パッケージに実装した「VL6180」を発表した。

同製品は、対象物の色や表面に大きく左右される反射光量に基づき距離を推定するのではなく、光が最も近い対象物に届くまでの時間と反射光がセンサに戻るまでの光の往復時間のみを考慮して計測する独自の近接測定技術「Time-of-Flight法(TOF法)」を利用することで、スマートフォンとユーザの距離を高い精度と信頼性で計算することが可能。

技術的には、光パルスを送出する赤外線発光器、反射されたパルスを検出する超高速光検出器、およびパルスの放出から反射光の検出までの時間を正確に計測する電子回路を組み合わせて実現されており、これらのほか、TOF測距センサと広範な動的周辺光センサ・ダイを組み込むことで、通話が突然切断される現象を改善することが可能となり、ユーザとスマートフォンの間に新しいインタラクションをもたらすことができるようになると同社では説明している。

また、同社では同技術は通話切断の防止だけではなく、スマートフォンから手や各種対象物までの絶対距離を高い信頼性で計測する機能により、モバイル機器メーカーやアプリ開発者は新たなユーザ・インタラクションを開発することが可能になるとも説明している。

STのTOF法を採用したスマートフォン向け近接センサ「VL6180」