Integrated Device Technology(IDT)は、3G/4Gワイヤレスの基幹システム向けにデータ圧縮用IPと発表した。

同IPは、ベースバンドデータの圧縮機能を提供するもので、ベースバンドユニット(BBU)とリモート無線ユニット(RRU)の接続に低コストの光ファイバケーブルを使用することができ、システムコストを低減できる。

ワイヤレス通信装置は、通信速度の向上に伴い、性能に対する要求とコストに対する要求の両方を満たすことが難しくなっており、データ量の増大に対応できる低速(2.5Gbps程度まで)かつ低コストの光ファイバリンクでやり取りできるソリューションが求められている。

同IPは、2:1から4:1のデータ圧縮比を提供することで、この問題を解決。ワイヤレス性能として必要とされるレベルの信号品質を保持しつつ、高い信頼性でのデータ圧縮を実現することで、低コストのケーブルを利用することを可能にした。また、CPRI(Common Public Radio Interface)仕様の最大ラインレートで稼働する4Gシステムに求められるEVM(エラーベクトル振幅)性能を満足しつつ、3:1のデータ圧縮を実現できるという特長を有する。

また、圧縮/伸張処理の信号チェーン全体における遅延を1μs以下に抑えられるという。この値は、システム全体の動作に及ぼす影響という観点で見れば、無視できるレベルとなっているとする。さらに、無線アクセスを伴うネットワーク内で、BBUとRRUとの間のリンクでやり取りされるデータの圧縮向けが利用の中心となるが、マスターユニットとスレーブユニットとの間のリンク上にあるリピータシステムで扱うデータを圧縮するためにも利用できるため、光ファイバリンクと光コネクタの数を減らすことでき、消費電力とコストの低減が可能になるとしている。

なお、同IPのサンプルは、すでに特定顧客向けのFPGAデモンストレーションキットとして提供されている。

IDTの3G/4Gワイヤレスの基幹システム向けデータ圧縮用IPのイメージ