NECは2月25日、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)において、ユーザー同士の対話を促進する話題を提供することで、友人関係の構築や強化を実現するコミュニケーション活性化技術を開発したことを発表した。
同社が開発したのは、投稿内容や閲覧履歴、友人関係などから利用者の興味を分析し、最適な話題を提供してSNSでのコミュニケーションを活性化させる技術。他の利用者との関係を推定し、友人候補を紹介する機能も備えている。関東近郊に住む20名を対象とした同技術の評価実験では、導入前と比較して、SNS上でのコミュニケーション量が約2.1倍、利用者間の友人登録が約3.1倍に増加したという。
同社は現在、被災地で顕著な人間関係の希薄化や高齢者の生活不活発化といった課題の解決に向け、仙台市の「あすと長町仮設住宅」で同技術の実証実験を行っている。この実証実験はNECネットイノベーションや東北学院大学と共同で2月末まで実施され、終了後も一部サービスを除いて継続的に運用される予定になっている。
あすと長町での実証実験では、タブレット端末に配信されるお知らせやニュース記事などをもとに意見交換できる地域専用の掲示板型SNS「デジタル談話室」や、外出や就寝などの情報をタブレット端末に入力することで、あすと長町自治会の見守り担当員に利用者の状態を伝える「見守りシステム」、スマートフォン上のボタンを押すだけで利用者の興味関心に合う地域の催し、ニュース、天気などの情報を通知する「TPOボタン」などのサービスが提供されているという。