Analog Devices(ADI)は、分解能が16ビットでデュアル構成のD/Aコンバータ(DAC)「nanoDAC+」シリーズとして「AD5689R」を発表した。

同製品は、相対精度のうち積分非直線性誤差(INL)が±2LSB、2.5V基準電圧源(リファレンス)の温度係数は2ppm/℃と高い安定性を実現している。また、実装面積が小さいパッケージを採用することで、実装面積の制限による性能のトレードオフを気にすることなしに、より広範なアプリケーションに採用できるようになっていると同社では説明する。

また、同シリーズは、分解能が10ビットから16ビットでピン互換性を確保しているため、通信インフラ装置や工業用プロセス制御機器、ヘルスケア機器、計測器など幅広いアプリケーションに対して、性能アップ・ダウンの差別化を最小の変更で実現できるという。

「AD5689R」は、1.8/3/5Vのロジックレベルへの対応を可能にするVLOGICピンや、出力範囲を2倍に広げることができるGAINピンといった便利なピン機能を備えているほか、SPIインタフェース搭載品とI2Cインタフェース搭載品をラインアップ。このほか、総合未調整誤差は2mVで、初期のキャリブレーションやトリム調整が不要なほか、静電気(ESD)放電耐圧はHBM(人体帯電モデル)で4kVを確保しているという。

なお、「AD5689R」は、パッケージが16ピンLFCSP/TSSOP。価格は1000個購入時で4.48ドルですでに量産出荷中だという。