経済産業省 関東経済産業局は20日、東日本大震災の被災地域等の中小企業への地財活用促進事業として、知的財産フォーラムを東京の中央大学駿河台記念館にて実施した。
登壇した全国イノベーション推進機関ネットワーク プロジェクト統括 前田裕子氏は「中小企業のための技術宝箱」という資料を紹介。これらは産総研特許の解説集ということで電子ブック及びPDFにて無料で閲覧することができる。詳細は産総研のホームページを参照してほしい。
同フォーラムは知的財産を保有しながらもビジネスに利活用していない研究者と、そういった知的財産を活用したいと考えている企業がマッチングすることができるイベントとなっている。今回は東日本大震災の被災地域等にスポットを当てたイベントとなっており、来場者は75名で大学のコーディネーターのほか、中小企業の担当者などが参加した。
また基調講演で登壇した、京都府立医科大学長 吉川敏一氏は「医学系大学における産学連携」といったテーマで講演を行った。
講演では以前に研究を行った際の知的財産の扱い方や、企業が研究者と共同研究やビジネス化する際の注意点など体験に基づき紹介した。
また研究者と企業のマッチングのコーナーでは5つの技術が紹介され、それぞれ希望する企業と研究者が商談を行った。今回あつまった研究内容は次の通り。
超音波を使って家庭の廃食用油から高品質バイオディーゼル燃料を省エネ製造 大阪府立大学 工学研究科教授 坂東博氏
食品の鮮度を空気で見分ける!非接触非破壊で食品の硬さを測定する計測器 静岡大学 工学部 電気電子工学科享受 犬塚博氏
CVD法により酸化チタンを大幅に節約し高活性で省エネにもなる高活性光触媒フィルターを実現 八戸工業高等専門学校 物質工学科准教授 長谷川章氏
高付加価値作物の生産を可能にする気中活根栽培 鳥取大学 乾燥地研究センター プロジェクト研究員 留森寿士氏
手術中の汚れを簡単にクリアアップする内視鏡手術器具の洗浄装置 群馬大学大学院 病態総合科学(第一外科)准教授 浅尾高行氏