東芝は、FA機器やエアコン、スマートメーターなどの家電・住設機器の絶縁型通信インタフェースにおいて、数十kbps~100kbpsの中・低速度の伝送レートに対応した通信用フォトカプラ「TLP2301/2303」を発表した。

PLC、インバータなどのFA機器や、エアコン、スマートメーターなどの家電・住設機器の絶縁型通信インタフェースでは、情報量に応じて数kbpsから数十Mbpsまで幅広い伝送レートの通信が行われている。これらの通信の中でも特にRS232に代表される9.6/19.2kbps程度の低速度から、RS232Cに代表される115.2kbps程度の中速度の領域においては、市場に適しているフォトカプラが少なく、ユーザーは性能面で十分とは言えない汎用トランジスタカプラを使用するか、トランジスタカプラに比べ十分な性能で高価格な1MbpsクラスのICカプラを選択するしかなかった。

今回同社では、そうしたニーズに対応することを目的に20kbps対応の「TLP2301」ならびに100kbps対応となる「TLP2303」の2品種の通信用フォトカプラを開発したという。

2製品ともに、低入力電流で変換効率(IC/IF)とスイッチング動作を保証しており、特に「TLP2303」は-40℃~+125℃の周囲温度・入力電流1.6mAで最小800%の変換効率を実現しているという。

なお同社では、従来ラインアップが無かった領域に高コストパフォーマンスの製品を投入することで、幅広い製品のコスト削減・消費電力削減に貢献していきたいとコメントしている。

中・低速度の伝送レートに対応した通信用フォトカプラ。左が20kbps対応の「TLP2301」、右が100kbps対応の「TLP2303」