IDC Japanは2月19日、2012年末時点における国内のサーバ設置台数(インストールベース)を発表した。
それによると、2012年末時点における国内サーバ設置台数は273万7,000台で、事業者データセンター(DC)が36.0%にあたる98万4,300台、企業内DCが40.8%の111万6,200台、DC外の設置台数が23.3%の63万6,500台と試算している。
設置場所別国内のサーバ設置台数構成比(2012年末時点)出典:IDC Japan |
事業者DCは、顧客へのサービス提供のために必要なインフラとして建設されたものを指し、企業内DCは、1つの企業がプライベートに所有し、当該企業のIT部門がサーバやストレージ、ネットワーク機器などの調達権限を持ってコントロールしているものを指す。また、DC外とは、マシンルームなどの独立した部屋ではなく、たとえば、オフィススペースや店舗のバックヤードなどの設置場所がこれにあたる。
発表によると、国内のサーバ設置台数(2012年末時点)は、2011年末時点の276万3,500台から1.0%に当たる2万6,600台が減少して、273万7,000台になり、その背景には個々のユーザー企業におけるサーバ集約や、ITリソースの所有から利用へのシフトといった流れの中でサービス事業者におけるサーバリソースの利用効率向上、さらにはユーザー企業の合併や倒産による購入主体の減少および営業拠点の減少があるとしている。
設置場所別に増減をみると、事業者DCのサーバ設置台数(2012年末時点)は、2011年末時点の94万5,600台から4.0%に当たる3万8,700台が増加して98万4,300台になった。
また、企業内DCでは2011年末時点の115万400台から3.0%に当たる3万4,200台が減少して111万6,200台に、DC外では同66万7,500台から4.6%に当たる3万1,000台が減少して63万6,500台になっている。
IDC Japan サーバー リサーチマネージャーの福冨里志氏は「国内のサーバ設置台数は減少傾向にあり、当面、今後も減少し続ける見込みである。データセンターへのシステム集約、効率的管理などを念頭に、サーバハードウェアの管理容易性、省電力性、省スペース性などを追求すべきことは言うまでもない。その上で、高度に集約され集中管理されるサーバ群の導入、運用管理、およびそれらにかかるコストの最適化といった観点で他社との差別化を図るべきである」と述べている。