NHN Japanは2月14日、東京都渋谷区の同社オフィスで開催したマーケティング担当者向けカンファレンス「LINE Marketing Conference LINE+YOU」において、今春以降に本格展開予定の新マーケティングサービスを発表した。
新サービスを発表したNHN Japan 広告事業グループ長の田端信太郎氏 |
今回発表されたサービスは、次の4つ。
- LINE マストバイ
- LINE Play
- LINE camera
- LINE キャラクターズ
以下、順に紹介しよう。
LINE マストバイ
LINE マストバイは、LINEのスポンサードスタンプを、シリアルコード入力者に限定して配布する機能。店頭で販売するキャンペーン商品などにシリアルコードを添付し、商品購入者がそれを専用サイトで入力するとスタンプがダウンロードできるようになる。専用サイトへの誘導は、商品にQRコードを添付したり、キャンペーンサイトにリンクを張るなどのかたちを想定している。
発表を行ったNHN Japan 広告事業グループ長の田端信太郎氏は、「コンビニエンスストアなどで、各種キャラクターのボトルキャップ等のおまけが付いた500mlペットボトルを見かけることがあるが、LINE マストバイは、そのおまけをLINEのスタンプというかたちで提供するかたち。ただし、デジタルの世界で提供されるので、実店舗網を持たない企業でも配布できるといったメリットがある。レアなスタンプがLINE上で使われれば、それを受け取った友人も関心を持つはず。バイラルなマーケティング効果も期待できる」と説明。「スタンプ目的で商品を購入したユーザーの数も実数として把握できるので、効果を測りやすい」と続けた。
同サービスは、4月よりトライアルを開始し、7月の正式リリースを予定している。
LINE Play
LINE Playは、NHN Japanが提供する、アメーバピグに似たアバターサービス。仮想空間上で自分の部屋を持ったり、移動したり、同席者と会話したりと、さまざまな体験ができる。現在、150万人のアクティブユーザーを抱えるという。
今回の施策では、このLINE Playにおいて、企業の商品ブランドで部屋をジャックしたり、ロゴ入りのインテリアや服を配布できるようにするという。
今月よりトライアルを開始し、6月から本格展開を行う予定。
LINE camera
LINE cameraは、LINEが提供するカメラアプリ。独自のフレームやスタンプ、フィルターが用意されており、ユーザーが自由に装飾できるといった特徴がある。LINEをはじめとする各種のSNSへの投稿機能も備えている。
すでにローソンにおいて、同カメラを使ったフォトコンテストを実施中。ローソンのパスタを購入し、LINE cameraで撮影/投稿したうえで、Twitterでハッシュタグを付けてつぶやくなどすると申込みが完了し、抽選でプリペイドカードやLINEキャラクターのぬいぐるみが当たるというキャンペーンを実施している。
今回の施策では、このLINE cameraにおいて、スポンサー独自の装飾スタンプやフレームを提供できるようにする。田端氏は、「スポンサードスタンプの露出を高める"トッピング"としても有効」と、見込まれる効果を強調した。
LINE キャラクターズ
さらにNHN Japanでは、LINEのキャラクターを使用したコラボレーション企画も積極的に展開していく予定という。
同社はすでに、タカラトミーと提携してLINEキャラクターのぬいぐるみなどを販売しているほか、漫画の連載やTVアニメなどもスタートさせている。今後は、「スポンサー企業と共同で、LINEキャラクターを使った商品開発、キャンペーンなども展開していく計画」(田端氏)という。
LINE@
田端氏は、すでに提供中のLINE@の強化策についても発表した。
LINE@は、企業が既存顧客に対してLINE上で情報発信を行うためのサービス。友だち登録されたユーザーに対して、キャンペーン情報などをプッシュ型で一斉配信することができる。月額5250円と安価に利用可能な点が大きな特徴。
同サービスを利用する利用企業は、LINE上で専用アカウントを用意したうえで、店頭POPや自社サイトなどでアカウントの友だち登録ページを告知する必要がある。認知度向上も担う「公式アカウント」とは異なり、LINEのトップページからたどれる範囲に該当カウントが表示されることはないため、現在のところ、アカウントの存在を知るユーザーにしかリーチできない状況にある。
そのLINE@に対して田端氏は、「登録名での友だち検索が可能なほか、LINE@利用企業の一覧を掲載したポータルページ『LINE@ナビ』なども開設中」と説明。友だち増加策を強化中であることを明かした。
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田端氏は説明の中で、LINEのマーケティングメニューが、「アテンション、リレーション、アクションと続く一連のマーケティング活動をすべてフォローできる環境になっている」と解説。さらに、「従来のマーケティング活動では、ユーザーに対して継続的にアプローチする手段がなかったため、莫大な費用をかけてキャンペーンを行っても、次のキャンペーンではまた一からユーザーの獲得を行わなければならなかった。対して、LINEのプラットフォームを活用してもらえれば、各キャンペーンで獲得したユーザーを積み重ねていけるので、効果も次第に高くなると期待できる」と語り、同プラットフォームの有為性を訴えた。