「優雅さ」「品」――ビジネスとはあまり縁のないような言葉だが、優雅にふるまうこと、品のある行動をすることが、同僚や顧客などビジネス上の関係を良好なものにするのに役立つという。さらには、家族や友人など私生活でのメリットも大きいというから、ぜひとも意識したい。

Open Forumが「日常生活に優雅さが必要な理由(原題 : Why It's Important to Be Gracious Every Day)」という記事で、すぐに始められることをいくつか紹介している。

1. やるなら惜しまずに、悪意を捨てられないならやるな

同僚の営業を助けてあげたはよいが、他人に「助けたくなかったんだけど」と愚痴を言ったことがある、顧客に割引価格を提示しながら恩着せがましい発言をしてしまう――どれも、正当化できる行動ではある。だが、相手に利用されたと思うのであれば、やるべきではない。いやいやながらでもやるのであれば、愚痴や恨み言は一切言わず優雅に堂々とやってあげるべし。

2. 合意できないのか、気に入らないだけなのか?

健全に機能しているチームであれば、議論したり反対意見を示すことは良いことだ。だが、「情熱」も行き過ぎると他人の議論や意見を切り捨ててしまうことがある。同時に、その人との関係も損なわれるので注意したい。情熱が怒りや一方的な熱狂になっているのであれば、修正すべきだ。

3. 公平感覚を維持できるよう感情管理を

妥当な地点がどこかを決定するのは、公正かそうではないか、その人がどれぐらい貢献しており、どれぐらいの報いに値するのか――客観的に測定できる事実よりも、あいまいな感情ベースとなる。もし自分が不当だと思うことがあったとしても優雅に振る舞うことはできるし、相手に譲ることもできる。「負けるが勝ち」ではないが、論理的には自分が絶対に正しいと思っていても、議論をやめることができるはずだ。

4. 感謝する

だれかが紹介してくれたからうまくいった、新しい取引先ができた、契約を更新できた――人のつながりなしにビジネスはない。だれかは上司かもしれないし、同僚や友人かもしれない。紹介の後の結果に関わらず、なんらかの紹介をもらった場合には電子メールや電話で感謝の気持ちを伝えよう。場合によってはちょっとした贈りものでもよいだろう。

5. 周囲の人全員に同じ行動を

上司と部下で態度を変えていないだろうか? 休憩室であっても、役員のミーティングであっても、努めて同じ態度をとろう。自分に何のメリットももたらさない人に対してどのような振る舞いができるか、これによって、あなたの紳士(淑女)のレベルが決まるのだ。

6. それでも失敗したときは……

だれだって機嫌が悪いとき、邪魔されたくないのに声をかけられてつい嫌な反応をしてしまった、なんてことはある。アメリカの詩人で活動家のMaya Angelou氏の言葉に、「あなたが言ったことややったことは他人の記憶から消える。だが、あなたが自分をどんな気持ちにさせたかについては、他人は忘れない」という言葉がある。「会議中に嫌な態度をとってごめん」とすぐに真摯な態度を示せば、きっと許してくれるはず。

さっそく今日から、優雅さや品を心がけて振る舞ってみよう。きっと職場や家庭が変わって見えるはずだ。