NTT西日本と熊本市は、ICT技術を用いた「住民参加型ハザードマップ作成サービス」の有効性の検証と住民の防災意識向上等を図ることを目的に、熊本市内の自治会を対象としたフィールドトライアルを平成25年3月上旬より実施すると発表した。

「住民参加型ハザードマップ作成」トライアル実施イメージ

このトライアルは、熊本県、熊本市、NTT西日本が締結した包括連携協定に基づき、"魅力溢れ、暮らしやすさと幸せが実感できる熊本"の実現に向けて検討を進めている「スマートひかりタウン熊本」プロジェクトの一環として実施するもの。実施期間は、平成25年3月上旬から平成25年9月末、実施地域は熊本市内の15自治会を予定している。

東日本大震災や南海トラフ地震の被害想定発表や集中豪雨等地域特有の災害発生を受け、住民の防災意識や地域防災力を高める必要性が増している。このような状況の中、両者は、地域住民が参加することによる、自助・共助での避難を中心とした被害の最小化を目的として、参加者自らがICT技術を活用した地域版ハザードマップを作成し、必要な時にいつでもどこでも簡単に情報共有が行える「住民参加型ハザードマップ作成サービス」のフィールドトライアルを実施することとした。

ハザードマップの作成により、電子ボードやタブレット端末を用いて簡単にデータ化することが可能となり、クラウド上に蓄積されたデータは、防災計画の見直しや災害図上訓練、危険個所の改修等への2次利用の可能性を拡げるなど、従来の紙地図では表現できなかった高度な情報提供が可能となる。

本トライアルを通して、GIS、電子ボード、タブレット端末等を利用したハザードマップ作成サービスの有効性や、住民の防災意識の醸成、防災行動誘発等の防災対策への有効性の検証を行う。

トライアルでは、熊本市内の自治会の役員がリーダーとなり、住民が主体となって地域版ハザードマップを作成するもので、実際に自分たちのまちを歩いて災害時に危険となる場所や障害物、一時的に避難できる場所・経路を調べる。

具体的には、まち歩きの際に気付いた危険箇所等を紙地図に記入した情報や、タブレット端末を用いて入力した情報を、公民館等に設置した電子ボードによりデジタル地図に登録。ネットワークを介してクラウド上に蓄積されたハザードマップはインターネットに公開され、住民がパソコンやスマートフォンを利用して、いつでも閲覧することが可能となる。

「住民参加型ハザードマップ」完成までの流れ

本トライアルにおける各社の役割は、NTT西日本が、住民参加型ハザードマップ作成サービスの有効性の検証(利便性、運用性等)、ハザードマップ作成に必要となる機器の貸し出し、トライアル運営に伴うシステムサポート。熊本市が、地域版ハザードマップを作成するワークショップの開催(会場準備、講師の手配、参加者の調整等)、トライアルを通じた業務仕様の検討。その他、両者で防災意識の醸成等、地域防災力向上に関する意識調査を行う。