F5ネットワークスジャパンは、ADC(アプリケーション・デリバリ・コントローラ)サービスを提供するソリューション「BIG-IP」において、ハードウェアプラットフォームの新製品、および新たなソフトウェアモジュールとして、ファイアウォール機能を提供する「BIG-IP Advanced Firewall Manager」(BIG-IP AFM)を発表した。
ハードウェアプラットフォームの新製品は、大企業やサービスプロバイダ向けで、ブレード搭載型シャーシを採用した、VIPRION(ヴィプリオン)シリーズの最上位モデル「VIPRION 4800」、およびエントリー/ミッドレンジクラスのBIG-IP 10200v、2200s、2000s。また、仮想アプライアンス向けのBIG-IP Virtual Editionも新たにリリースした。
「VIPRION 4800」は今回、搭載できるB4300ブレードを従来の4枚から2倍の8枚に拡大。 レイヤ7で秒間2,000万以上のリクエスト処理能力と160GbpsのSSLバルク・スループットを達成する。ネットワークインタフェースは128ポートで最大スループットは640Gbps、価格は3,145万円から(税別、ブレード1枚搭載)。提供開始時期は2013年第一四半期を予定している。
エントリークラス、ミッドレンジでは、L7 HTTP処理能力、SSL処理能力を強化したほか、80PLUS GOLD認定を受けた省電力性、10Gインタフェース搭載、DC電源、電力冗長化を実現している。
BIG-IP 2000シリーズは、業界で初めて10GbEのインタフェースを備えるエントリー向けADCだが、「BIG-IP 2000s」は、ネットワークインタフェースは10ポート、最大スループットは5Gbps、最大L7 HTTPリクエスト数は毎秒212,000で価格は299万円(税別)~。提供開始時期は2013年第一四半期を予定している。
「BIG-IP 2200s」は、ネットワークインタフェースは10ポート、最大スループットは5Gbps、最大L7 HTTPリクエスト数は毎秒425,000で、価格は476万円(税別)~。提供開始時期は2013年第一四半期を予定している。
そして、「BIG-IP 10200v」は、ネットワークインタフェースは24ポート、最大スループットは80Gbps、最大L7 HTTPリクエスト数は毎秒200万で価格は1,615万円(税別)~。提供開始時期は2013年第一四半期を予定している。
BIG-IP Virtual Editionでは、パフォーマンスの強化を行い最大3Gbpsのスループットを備え、Amazon Web Services、VMware vCloud Suite、Microsoft Hyper-V、Citrix XenServer、KVM、Linuxなどのハイパーバイザ/仮想化環境に対応する。
F5ネットワークスジャパン 代表取締役社長 アリイ ヒロシ氏は、新製品をリリースした背景を「最近のユーザー環境は、アプリケーションのWeb化、スマートデバイスの爆発的な増加、クラウドへの移行の加速、進化し続ける外部脅威など激変しており、このような中、F5はハードウェア・プラットフォームのラインナップを強化し、仮想環境のサポートをしていく。とくに顧客の環境に合わせていけるフレキシビリティが重要なポイントだ」と述べた。
F5ネットワークスジャパン プロダクトマーケティングマネージャ 野崎馨一郎氏によれば、L7の処理能力に一番フォーカスしているという。
一方新たに追加されたソフトウェアモジュール「BIG-IP Advanced Firewall Manager」(BIG-IP AFM)は、ファイアウォールソリューションで、トラフィック管理、アプリケーションのセキュリティ機能、ユーザのアクセス管理、DNSセキュリティも兼ね備える。
利用するアプリケーション視点でセキュリティを設定できるのが特徴で、特定のアプリケーション向けにカスタマイズ可能な記録/レポート機能を備えている。
価格は、ハードウェアプラットフォーム向けが170万円(税別)~、仮想アプライアンス向けが128万円(税別)。
野崎氏は、ファイアウォールソリューションを新たに提供する理由を、ファイアウォールを含め、ADC周辺の統合化が進んでいるため、それに対応するためだと説明した。