Linear Technologyは2月7日、都内で会見を開き、同社が2011年12月に買収をしたDust Networksのワイヤレスセンサネットワーク(WSN)製品「SmartMesh」の販売を日本国内で開始したことを明らかにした。
Linear TechnologyのDust Netwoks製品グループプレジデントであるジョイ・ワイス氏 |
同社のDust Netwoks製品グループプレジデントであるジョイ・ワイス氏は、「DustのWSN製品は2つの製品ラインアップ(SmartMesh WirelessHARTならびにSmartMesh IP)が提供されているが、WirelessHARTは産業用プロトコル制御向け、IPはインターネットプロトコルと統合したもので、これらを活用することで有線ネットワークと同レベルの信頼性と電池で数年間の駆動を実現することが可能となるため、産業分野を中心にさまざまな機器や場所にワイヤレスネットワーク機能を提供することができるようになる」と語る。
SmartMeshテクノロジーは、業界標準規格であるIEEE 802.15.4(IPでは802.15.4/E)に準拠したDustの時間同期・チャネルホッピングネットワークのブランド名であり、自動的にネットワークを生成するノードから構成されるメッシュが定期的にデータを収集し、ホストとなるマネージャにデータを転送していくという仕組みを採用している。メッシュからのデータはほかのメッシュを中継してマネージャーに送信されたり、逆に各メッシュを経由してマネージャからの指示を受け取ったりするが、各メッシュごとに設定された時間(時間同期で、使用する周波数を選定し、周波数がぶつかった場合は別のチャネルを選択するチャネルホッピング機能と同期しているため、高い精度を実現したタイマーが搭載されているという)のみ通信を行い、それ以外はスリープに入ることで電力消費を抑制することが可能だ。「各ノードは最低でもマネージャと通信するためのルートを2つ確保しており、ルート数はプログラムにより増やすことが可能だ。また、各ノードは50μA以下の消費電流で稼働することが可能。これにより、市販電池で5~10年の稼働を実現することが可能になる」(同)とするほか、暗号化についてはAES128に対応することで、盗み見などの防止も実現しているとする。
具体的な提供製品はCortex-M3やDC/DC、クロックなどを搭載した「Eterna 802.15.4」ファミリと、それを結ぶネットワークソフトウェアから構成されており、消費電流は競合製品比で最大1/8となる受信時で4.5mA、送信時で5.4mA@0dBm(9.7mA@8dBm)を実現しているという。
また、提供形態としてはメッシュ側、マネージャ側ともにQFNパッケージで提供されるほか、チップアンテナを搭載し、各種の認証検査を通過済みのPCBモジュールでも提供される。