予算の限られる中小規模の企業がサーバの導入を検討することになったとき、真っ先にチェックするのはおそらく価格とスペックだろう。いかにして、安価でパフォーマンスの高いマシンを手に入れるか。この点を追及することになるのではないだろうか。

もっとも、通常、安価な製品には相応のリスクもついてくるもの。すぐにパーツが壊れたり、必要な機能が揃っていなかったりで、運用の手間が増えてしまうケースも少なくない。

そんな問題を懸念する企業に勧めたいのが、デルが提供するエントリークラスのタワーサーバ『Dell PowerEdge T110 II』および『Dell PowerEdge T310』である。

PowerEdge T110 IIが2万9980円~、PowerEdge T310が5万9980円~と非常に安価であるにもかかわらず、他のデル製品と同様、現場のシステム管理者のことを考えた妥協のない設計・機能・対応が見られる。

T110 II、T310の販売サイト。2万9800円~で販売されている。

本稿では、デル マーケティング統括本部 サーバ・ストレージ・ネットワークマーケティング本部 ブランドマネージャーの大川博史氏の話を基に、その一端をご紹介していこう。

箱を空けてすぐに使えて、ニーズに応じた万全のサポートも受けられる

デルのユーザーに対する配慮は、サーバ購入サイトで早速目にすることができる。

「デルのサーバは、サーバ1台からでもOSやCPU、メモリ搭載量、ハードディスク容量などについて、お客様ごとの要件に合致した最適なものを選択してご注文いただけます。用途に対して過剰なスペックにならないために不要なコストを抑えられるうえ、デルの工場で最後まで組み立て、何種類もの品質テストをクリアした製品をお客様に直接お届けしますので、箱を開けたらすぐに使え、初期不良なども少なく、導入の手間が省けます」

――大川氏はデル製品のメリットをこのように強調する。

IT専任者を置けることが少ない中小規模の企業においては、OSをインストールしたり、メモリを増設したりするのにも、相応の手間と時間がかかってしまう。そうした問題までも回避できるのは、これらの企業にとってありがたいかぎりだろう。

充実したサポートメニュー! 製品検討者向けの無償サポートも!

デルでは、「そもそもどこまでのスペックが必要かもわからない」というユーザー向けに、電話やチャットの問い合わせ窓口を通じた無料カウンセリングも用意している。

デルの製品ページを訪れると、右側に問い合せ先が現れる。電話番号の記載だけでなく、チャット対話ボタンも提供されているので、そちらをクリックすればテキスト形式で気兼ねなく質問することが可能だ。問い合わせできる内容は「ハードウェアに限っているわけではない」(大川氏)と言い、サーバ周りの気になることを自由に聞けるようだ。

購入画面の右側には、電話/チャットでの問い合わせ先が

さらに、デルでは、そのほかのサポートサービスも充実させている。

例えば、サーバの設置方法が分からない、あるいは手間がなかなか割けないというユーザー向けに、エンジニアが現場を訪れて設置してくれるサービスも提供している。また、保守サービスにおいても、故障パーツの配送にセンドバック方式を採用。連絡を入れるとすぐにデルから代替品が配送され、交換後に故障パーツを送り返すかたちで、修理にとりかかるまでの時間を短縮することができる。

さらに上位のサポートメニューとして「プロサポート」メニューも用意しており、こちらを契約すれば、24時間365日問合せが行えるうえ、エンジニアの派遣なども依頼できるなど、"もしも"のときも安心して運用できる環境が取りそろえられている。ユーザーは自社のスキルやリソースの状況に応じてサポートレベルを選択できるため、ハードウェアだけでなくサポートの面でも余分なコストを抑えることが可能だ。

以上のように、デルではサーバの購入時だけでなく、導入および運用の各フェーズにおいても多様な選択肢を提供し、ユーザーが安心してサーバを購入し利用できるような体制を用意しているといえる。

ユーザー/管理者のことを考え抜いたハードウェア設計

デル製サーバでもう1つ注目したいのは、ハードウェアの設計である。デル製品のハードウェアには、システムの運用管理の現場を意識したさまざまな工夫が取り込まれている。順に見ていこう。

工具なしでメンテナンス可能

まず挙げられるのは、メンテナンスのしやすさである。

パーツを交換する際は、「取っ手を引くだけで開けることができるし、各パーツも簡単に着脱可能」(大川氏)だ。工具を使うことなく効率的に作業が行える。最近では珍しくなくなった設計ではあるが、デルは「業界で先駆けて対応したメーカーの1社」(大川氏)だという。

T310の写真。筐体側面の上部にある凹み部分を引けば、工具なしで開けられる

筐体内部の様子。各パーツとも工具なしで取り付け/外しが可能

ホットプラグ対応パーツを色分け! 一目でわかる

また、デル製サーバの内部では、ホットプラグ対応パーツと非対応パーツが色分けされており、2種類のパーツを一目で見分けることができる。

「ホットプラグ対応パーツはオレンジ色、非対応パーツは水色になっています。筐体を開ければ、サーバ稼働中でも交換できるパーツと稼働中には抜いてはいけないパーツがどれなのかを瞬時に判断できます」(大川氏)

誤ってホットプラグ非対応のパーツを抜いてしまい、サーバがダウンするといった事態に陥るのを減らせるはずだ。

ホットプラグ対応パーツはオレンジ色になっている。非対応パーツは水色なので(上掲の筐体内の写真参照)、一目で見分けられる

問合せ用シリアル番号が筐体に

問合せなどに必要となる各機器のシリアル番号などが、筐体に取り付けられている点も見逃せない。

こうした番号は通常、印刷物として配布され、保証書や説明書と一緒に保管されるが、デルではプラスチック製のタグに印字して筐体に取り付けており、必要なときに引き出してすぐに確認できるようになっているため、故障などが発生した際、慌ててシリアル番号を探すといった無駄な一手間を省くことができる。

もちろん、サーバが手元にない場合にはブラウザ経由で確認することも可能だ。

オフィスに設置してもうるさくない

優れた静音設計、省電力設計もデル製サーバの特徴の1つである。

「配線を極力減らしたり配線経路を工夫したりするなど、サーバの冷却効率を改善するべく、通気性を高める工夫を施し」(大川氏)ている。さらに、より高効率の電源ユニットを採用することで、省電力化を図っている。

また、中小規模の企業の場合、サーバをオフィス内に設置するケースが多い。その際、稼働音がうるさいと仕事の妨げにもなりかねない。デルでは長年静音性の向上にも取り組んでおり、サーバの世代を経るごとに進歩しているという。

サーバというと稼働音が大きい印象があるが、例えばT110IIは標準的なデスクトップPCと同程度。騒音レベルは静かな図書館でのに該当するという。こうした配慮は、ユーザーにとってありがたいかぎりだろう。

運用監視ツールがマザーボードに! 遠隔ブートも可能

一方、システム管理担当者にとってうれいしいのが、運用監視ツールである。

デル製品では、ローエンド機であっても、最初からマザーボードに運用監視ツールが組み込まれており、導入時にインストールや設定する手間を省くことが可能だ。またこのツールにより遠隔地からでも監視・制御が行える。OS上で稼働するアプリケーションではなくマザーボードに組み込まれているツールであるため、例えば停止中のサーバを遠隔地から起動するといったことも可能だ。

運用監視ツールというと、導入時に大量のCD-ROMを使ってインストールするケースも少なくない。特に中小規模の企業にとっては、そうした煩雑な作業を避けられるだけでも、ありがたいのではないだろうか。

デル製サーバの管理画面。遠隔地から起動することもできる

以上のような特徴は上位モデルだけではなく、デルのサーバ製品全体に共通している。安価なモデルでも利用できるというのは、中小規模の企業にとってありがたい点だろう。

数千社の聞き取り調査結果を設計に反映

以上のように、利用者のことを意識した機能やサポートが多数用意されているデル製サーバだが、いずれも初期モデルから提供されていたわけではない。今日のかたちは、ユーザーの声を集め、要望に応えるかたちで改善を積み重ねた結果だという。

「デルでは、全世界のお客様からの声を継続的に集めているほか、営業担当者に寄せられた苦情や要望も集約し、それらを次世代製品の設計に活かしています。現世代の製品は数千社におよぶお客様の声の集大成ということができるでしょう。特に日本のお客様は要求レベルが高いことで知られており、その声は積極的に取り込まれています」(大川氏)

ユーザーから寄せられる声の中には、品質を追求するものも少なくなかったという。そのため、デルでは、高い品質の製品をユーザーに届けられるよう、出荷前にねじれテスト、落下テスト、振動テスト、負荷テストなど、さまざまなテストを実施している。変わったところでは、梱包材に関しても何種類にもおよぶテストを行っているようだ。

「こうした長年にわたる品質への取り組みにより、初期不良等でお客様にご迷惑をおかけすることは最近では劇的に減ってきていると自負しています」と語る大川氏。「安かろう、悪かろうではどうしようもない。安価なのは、徹底的にコスト効率化を追求した結果。品質はしっかり担保しています」と続け、品質への自信を強調した。

価格を改定! Dell PowerEdge T110 IIの詳細はこちらで

本稿でも紹介したとおり、Dell PowerEdge T110 IIは、OSなしの一番安価なモデルで2万9980円で提供されている。実は、この価格、先日改定されたばかり。以前に比べて、約15%値下げされている。

以前にも増して求めやすい価格になっているので、ファイルサーバの増設などを考えている企業は、これを機に検討してみてはいかがだろうか。

なお、製品の詳細はデルのWebサイトにて確認してほしい。記事で紹介しているとおり、チャットや電話で問い合わせることもできるので、そちらも活用するとよいだろう。