富士通とパナソニックは2月7日、富士通の100%子会社である富士通セミコンダクター(FSL)とパナソニックが手掛けているシステムLSI事業の設計・開発機能などを統合し、外部投資家の出資を得て、システムLSIの設計・開発などを手掛けるファブレス形態の新会社を設立するとともに、新会社へ事業移管することを検討することで基本合意に達したことを発表した。

今回の事業統合は、市況の悪化や海外半導体メーカーの台頭により業績低迷が続く両社のシステムLSI事業が今後も市場で成長するために実施されるもので、新会社は製造能力を自社で有しない設計・開発機能に特化したファブレスベンダとなる予定。具体的には、「ハイパフォーマンス・ソリューション(高性能サーバ、高速ネットワークなどクラウドインフラを支えるコアテクノロジー)」、「ビジュアル&イメージング・ソリューション(次世代DTV、画像認識の応用分野など)」、「ワイヤレス・ソリューション(ユビキタスネットワークを支えるモバイル・微弱無線などのコネクティビティ・ソリューション)」などの分野において、世界市場でトップレベルのシステムLSI企業となることを目指して、両社が培ってきた技術力を結集し、注力分野への新規投資を重点的に進めていく方針としている。

また、そうした注力分野における競争力の向上のために必要となる資金については、日本政策投資銀行へ出融資を仰ぐとしている。

なお、両社では今後、具体的な検討を進め、すみやかに最終的な契約の締結を目指すとしている。