計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは2月6日、同社のオシロスコープ「InfiniiVision 4000X」シリーズで動作する低価格なUSB 2.0信号品質評価試験ソフトウェアを発表した。
USBインタフェースは、コンピュータでほぼ標準的に採用されている他、組込用途でも幅広く使用されているが、オシロスコープは、USBの信号品質を評価するツールとして用いられてきた。同ソフトウェアは、InfiniiVision 4000Xシリーズで動作するもので、Low-Speed、Full-Speed、Hi-Speed USBに対応し、USB-IFの定める標準に準拠したUSBハブ、ホスト、デバイスなどのアナログ信号品質の評価を簡単に行うことが可能なほか、テストパケットではなく、実信号での測定もできるものとなっている。
USB-IFによる認証は、一般にパソコン関連製品以外では必要とされないため、組込機器の開発では公式なUSB-IFの試験は行わないこともあるが、最近では、接続性の確保などの確認のため、USB-IFの標準に基づいた物理層試験が実施されており、これにより商品の量産前の信頼性確保が実現されてきた。
同ソフトウェアは、実信号を用いたUSBの信号品質評価試験を低価格で実施したいというニーズに応えるもので、公式のUSB-IFワークショップでの認証試験の前に、社内でオシロスコープに搭載されたUSB-IFの公式アルゴリズムに基づく形で、アイダイヤグラムマスクテスト、ジッタ解析、エンドオブパケットのビット幅、シグナリングレート、エッジモノトニシティ、立ち上がり/立ち下がり時間について、HTML形式の合否レポートを生成することが可能となる。
なお、価格は「InfiniiVision 4000X」シリーズ用USB信号品質評価試験ソフトが11万4178円(性別)。USB 2.0 Low-SpeedおよびFull-Speedに対応する「InfiniiVision 4000X」シリーズ(200MHzモデル)が64万4029円(税別)から。USB 2.0 Hi-Speed用には4チャネル、1.5GHz帯域の「InfiniiVision DSOX4154A」を推奨している。価格は220万8763円(税別)。いずれも2月15日より販売・出荷を開始する予定だという。